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2017年IEEEマイルストーン東北大学に献呈 虫明康人名誉教授のアンテナ研究を歴史的偉業として認定

発表のポイント

  • IEEEが東北大学にIEEEマイルストーンを献呈。東北大学としては2度目の認定。
  • 虫明康人名誉教授のアンテナ研究を歴史的偉業として評価したことによる認定。

概要

この度、東北大学は虫明康人東北大学名誉教授のアンテナ研究が歴史的偉業として評価されたことにより、IEEEマイルストーンを献呈されることとなりました。

IEEEマイルストーン(アイトリプルイー マイルストーン)は、IEEEが電気・電子技術やその関連分野における歴史的偉業に対して認定する賞です。これに認定されるためには、25年以上に亘って世の中で高く評価を受けてきたという実績が必要です。東北大学は1995年6月に 指向性短波アンテナ<通称:八木・宇田アンテナ>(1924年)の研究成果に対するマイルストーン認定以来の2度目の認定となります。

受賞のタイトルは「アンテナにおける自己補対の原理と虫明の関係式の発見、1948年」であり、タイトルにあるように、電波を放射し受信するアンテナに関する業績に対する認定です。通常良く用いられるダイポールアンテナや八木・宇田アンテナなどのアンテナは、周波数が変化するとその特性も大きく変化するため、周波数が変わるとアンテナも交換する必要があります。これに対して、周波数が変化してもその特性が変化しないアンテナは広い周波数で動作するので、広帯域アンテナと呼ばれています。図に示すように金属板の部分と金属がない穴(スロット)の部分の形状が同じであれば、アンテナの特性を表す入力インピーダンスという特性が周波数に無関係に一定となるこという理論が虫明の関係式であり、図の様な形状のアンテナは自己補対アンテナと呼ばれ、代表的な超広帯域アンテナです。このアンテナは様々な構造が考えられるので、自己補対の原理は多くの超広帯域アンテナの設計の基本原理となり、テレビジョン放送受信、ブロードバンド無線通信、電波天文、携帯電話などに応用されてきました。

注 IEEEマイルストーン:世界最大の技術者団体、電気電子技術者協会(IEEE=The Institute of Electrical and Electronics Engineers 、本部米国)は電気・電子技術分野における歴史的な偉業をたたえる「IEEEマイルストーン」を1983年に制定しました。マイルストーンは開発から25年以上に亘って世の中で高く評価を受けてきたという実績のある技術が対象で、これまで世界で177件(本年5月の時点)が認定されています。古くは18世紀のベンジャミン・フランクリンの業績(避雷針の発明など)や19世紀のエジソンの研究所(電話・電球や発電機などの発明)、20世紀では世界初のデジタル電子計算機「アタナソフ&ベリー・コンピュータ」(1939年、米アイオワ州立大学)、「インターネット誕生の地」(1969年、米カリフォルニア州立大学)などがあります。

図 2端子自己補対構造の自己補対アンテナの例

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学産学連携機構 イノベーション戦略推進センター
特任教授 澤谷 邦男(さわや くにお)
電話:022-752-2191
E-mail:sawaya*ecei.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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