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癌治療:放射線やシスプラチンが効く機構を発見‐DNAの傷の修復を助ける因子が多くの癌細胞で欠損している‐

東北大学加齢医学研究所の安井 明 加齢医学研究所フェロー・東北大学名誉教授は、癌治療において、放射線やシスプラチンが効く機構を発見しました。

癌治療のために良く使われている放射線や化学物質のシスプラチンなどは細胞のDNAに傷を付け、細胞の増殖を抑えるのが目的ですが、DNAの傷はそれを修復する機構が癌細胞にも正常細胞にもあることから、効果的な癌治療には、付けた傷が癌細胞で直しにくいことが必要です。本研究ではDNAの傷の修復を助ける特定の因子(ヌクレオゾームリモデリング因子)が多くの癌細胞で変異や欠損をしていて、それらの因子のいずれかを欠いた細胞はとりわけシスプラチンに高感受性になることから、それらの因子の有無を調べることにより、効果的な癌治療につながる可能性を示しました。これは、これまでシスプラチンが癌治療に広く使われ続けている理由と考えられます。さらに、ヌクレオゾームリモデリング因子の欠損は正常細胞に癌化や老化をもたらす可能性があり、DNA修復のサポート役として知られているこれらの因子の役割が重要であることを意味しています。

本研究成果は、2017年8月28日(英国時間、日本時間8月28日)に、Philosophical Transaction of the Royal Society (Biology) 誌に掲載されました。

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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学加齢医学研究所
加齢医学研究所フェロー・東北大学名誉教授 安井 明(やすい あきら)
電話:022-717-8465
E-mail:akira.yasui.d8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学加齢医学研究所
広報情報室
電話:022-717-8496
E-mail:hanaoka*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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