2017年 | プレスリリース・研究成果
腎組織の炎症を抑制することによる新規腎臓病治療薬の開発 ‐転写因子阻害剤を用いた新しい腎臓病治療法‐
東北大学大学院医学系研究科の于 磊博士研究員(医化学分野)、森口 尚前講師(医化学分野、現東北医科薬科大学 教授)、山本 雅之教授(医化学分野、兼東北メディカル・メガバンク機構 機構長)、清水 律子教授(分子血液学分野)らのグループは、慶応義塾大学医学部先端医科学研究所の佐谷秀行教授らとの共同研究により、抗がん剤の一つであるミトキサントロンが転写因子GATA2の活性を阻害することで腎臓病の症状を改善することを、世界で初めて明らかにしました。腎臓病に対する新規治療法として本研究成果が応用されることが期待されます。
今回の研究成果は、2017年8月14日に米国科学雑誌「Molecular and Cellular Biology」(オンライン版)に掲載されました。
ポイント
- 腎臓病による透析患者数は年々増加し、新たな国民病といわれているが、有効な治療法は未だ確立されていない。
- 抗がん剤ミトキサントロンが転写因子GATA2を阻害し腎臓病の症状改善をもたらすことを世界で初めて明らかにした。
- 有効な治療法に乏しかった腎臓病の新規治療法として、応用されることが期待される。
図; 本研究のまとめ. GATA因子阻害剤は腎集合管からの炎症性サイトカイン産生を抑制し、腎臓病の症状を改善させる。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科分子血液学分野
教授 清水 律子(しみず りつこ)
電話番号:022-717-7952
Eメール:rshimizu*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
講師 稲田 仁(いなだ ひとし)
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)