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従来の性能を越える新しい有機半導体用電極の開発 電極材料によらず電子・正孔両方の注入が可能に

発表のポイント

  • 有機半導体において、通常の金属電極を凌駕する世界最高性能の電荷注入効率の電極を設計して実証した。
  • 新しい電極は、電子と正孔を同等に有機半導体に注入することができる。
  • 新しい電極は、空気中で安定であり、種々の電子デバイスへの応用が期待できる。
  • 新しい電極は、高性能な電界発光素子への応用が可能である。
  • 新しい電極は、中間層のナノ構造を操作することにより簡単なプロセスで高性能電極となる。

概要

東北大学材料科学高等研究所(AIMR)・同大学院理学研究科のタンガベル カナガセカラン助手、下谷秀和准教授および谷垣勝己教授は、東京工業大学物質理工学院の清水亮太特任講師(現 JSTさきがけ専任研究員)および一杉太郎教授と共同で、有機半導体デバイスに使用される電極において、これまで報告されている中で最も優れた性能を示す電極を開発する事に成功しました。

新しい電極は有機半導体において代表的な金属電極である金(正孔注入に用いられる電極)およびカルシウム(電子注入に用いられる電極)よりも優れた電荷の注入効率を示しています。この新しい電極は、正孔(正の電荷)と電子(負の電荷)を同等の効率で導入することができるばかりでなく、カルシウム等とは異なり空気中で安定です。新しい電極は基礎科学の観点から重要であるばかりでなく、高性能な電界発光素子などの電極として期待されます。

本研究成果は平成29年10月17日(火)18時(日本時間)に、英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されました。

図:従来の電極(左)と新しい有機半導体電極(右)の構造。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学材料科学高等研究所 / 同大学院理学研究科
教授 谷垣勝己
東北大学大学院理学研究科
准教授 下谷秀和
TEL:022-217-6166
E-mail:tanigaki*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道担当> 
東北大学材料科学高等研究所 広報・アウトリーチオフィス
清水 修
TEL:022-217-6146
E-mail:aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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