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知識の普及だけでは受動喫煙の格差は縮小しない

 東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の相田潤准教授、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の松山祐輔研究員らの研究グループが、宮城県内の受動喫煙の社会格差を明らかにしました。
 収入や学歴などの社会経済的状況が低い人は、受動喫煙の被害を受けやすいという社会格差が海外の研究では存在します。しかし、日本での報告はほとんどありませんでした。そこで宮城県健康調査(2014年)のデータを分析し、宮城県の成人で「タバコを吸わない人の受動喫煙の格差」について研究しました。
 その結果、教育年数が短い人は、非喫煙者であっても受動喫煙にさらされやすいという社会格差が確認されました。また、タバコが悪影響をあたえる病気についての知識があることは、家庭での受動喫煙が低いことと統計的有意に関連しました。しかし職場での受動喫煙には関連がみられませんでした。
 この研究から、日本でも受動喫煙に社会格差があることが確認され、個人が知識を持っているだけでは職場での受動喫煙を防げないことが示されました。このため、職場全体での受動喫煙対策が必要でしょう。
 この研究成果は、2017年10月28日に国際科学誌Journal of Epidemiologyでオンライン公開されました。

発表論文
Matsuyama Y, Aida J, Tsuboya T, Koyama S, Sato Y, Hozawa A, and Osaka K. Social inequalities in secondhand smoke among Japanese non-smokers: a cross sectional study. J. Epidemiol. 2017. [in press]

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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野
准教授 相田 潤(あいだ じゅん)
電話:022-717-7639
E-mail:aidajun*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

歯科医師 松山 祐輔(まつやま ゆうすけ)
E-mail:matsuyama.hlth*tmd.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
総務係 堀田 さつき(ほりた さつき)
電話:022-717-8244
E-mail:den-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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