内   容


 ・学生との会見に関する大学の考え方

 ・電気料是正問題と有朋寮・日就寮の「入寮募集停止」

――ニュース――

学生生活実態調査結果について
片平キャンパス課外活動施設のリニューアルが進んでいます
川内キャンパス厚生会館の食堂が広くなります
日本育英会の奨学金制度が拡充されます


 東北大学学生生活協議会(学生協)[*]が関わっていることで学生の皆さんの学ぶ環境や課外活動などに関係するいろいろなニュースを早く詳しくお伝えします。学生協で審議したり報告されたことは、通常、各部局の教授会を通じて学内の皆さんにお伝えしていますが、お知らせの経路を多くし、短くして、多くの大学構成員の皆さんに大切な情報がよく伝わるようにと考えています。
[*] 学生生活協議会は東北大学において教育を受けている学生などの皆さんのキャンパス生活に関することで大学全体に及ぶ事項を審議し決定する全学的な委員会です。課外活動についてまたそのための施設について、奨学金や授業料減免などについて、学寮の運営について、その他の日常的なことについて大学としての対応を決め、また、中長期的な施策について評議会に提言をします。


学生との会見に関する大学の考え方

 昨年4月に副総長制が施行されてからほぼ1年が経ちます。学生生活協議会は、この間ワーキンググループを設けて「副総長制下における会見の在り方」について検討を重ねてきました。
 東北大学全部局の意見も聞きながら、このほど次のようにまとめましたので教職員及び学生の皆さんにお知らせするとともに、ご理解とご協力をお願いする次第です。




副総長制下における会見の在り方について

平成11年3月26日  
学生生活協議会  


1 会見に関する基本的考え方
 本学では、平成10年4月から副総長制が施行され、それに伴い学生生活協議会の組織にも幾つかの変更がありました。学務等担当副総長の職務は広報第179号に記したように、以前の組織における学生部長の職務を基本的に継承していますが、一方において、副総長は、総長の職務を補佐する重要な役割を負っています。
 そこで、学生部長制から副総長制への移行を契機として、学生生活協議会は学生に対する会見の在り方を見直し、今後にむけて望ましい会見の在り方を検討してきました。
 もとより、学生生活上の諸問題及び学内諸施設の管理・運営の改善を図る上で、学生から提起される要望や意見を適切な方法によって聴取することは大変重要なことで、本学はこれまで誠意をもってその実現に努めてきました。
 しかし、従来、その実現を志向した学生部長会見の実態は、理性的で正常な話し合いとは異なる性質のものでした。本学は、話し合いの場を「代表者会見」と捉えてきましたが、その実体は脅迫的で、不本意ながらいわゆる「大衆団交」を強いられてきました。
 今後の会見は、従来の脅迫的な「大衆団交」の在り方と訣別することとし、元来、大学が主張している「代表者会見」の在り方に立ち返り、かつ、副総長制下において必要とされる若干の変更を加え、以下のような会見の在り方を決定しました。

2.会見の在り方
 今後の会見の在り方は、次に述べる「代表者会見」の原則によることとします。
(1) 会見は、学生の提起する要望や意見をその代表者が表明し、それを大学側が聴取するとともに、大学側の見解を説明する場と捉えます。これを「代表者会見」と呼びます。
(2) 会見は、学生側から申請を受けて、あるいは大学側の要請により、学生生活協議会の議を経て、開催するものとします。
(3) 大学側の代表者として、通常は、関係する委員会委員長ほか委員数名が出席します。   
   必要に応じて、事務官が出席することもあります。
(4) 学生側の出席者は、学生団体を代表する者10名以下とし、その氏名・学部・学年・所属団体等における代表者としての役割を書面に記し、事前に提出します。オブザーバーの参加は認めません。
(5) 会見の時間は、2時間以内とします。
(6) 会見の開催日時・場所の設定及び会見の進行は、学生との事前打合せを経て、大学側が行うこととします。
(7) 副総長が会見にあたる場合は、会見のテーマが全学的な広がりを有し、学生生活協議会が特にその必要性を認めた場合に限ります。副総長の会見も、上記(1)から(6)の原則によるものとします。
(8) 事前打合せについても、上記(1)から(6)の原則によるものとします。




 以下、左の「副総長制下における会見の在り方について」まとめるに至った経緯を述べて、「1.会見に関する基本的考え方」を補足します。


 ここ数年の会見の実態
 平成7年12月20日、片平キャンパスにある学生部(当時 ― 現学務部)大会議室において東北大学学生寮自治会連合(寮連)と学生部長の会見が行われました。テーマは新寮建設の問題です。会見は、夕方6時頃から始まり、翌日未明4時過ぎまでの10時間に及び、体調を崩した学生部長のドクターストップをもって終わりました。
 以後、同じテーマでの会見が4回続きます。第2回目の会見は、平成8年3月5日、6時から始まり深夜の2時頃まで約8時間かかり、やはり学生部長にドクターストップがかかりました。その時の議長(寮生)は「医師の話では、疲労困憊、脈拍も通常の倍近く、しかもときどき抜け、直ちに安静、治療が必要とのことである」と述べて、ドクターストップによる打ち切りを宣言しています。学生部長はこのあとすぐ入院しました。第3回は同年6月5日、6時から夜11時までの5時間。第4回は、同年12月4日、6時から深夜零時までの6時間。第5回は、平成9年6月11日、6時から夜11時半までの5.5時間でした。

 *会見の開始時刻18時からの経過。

 平成9年の12月17日には、現在も解決を見ていない電気料問題をテーマとする学生部長会見が行われました。6時頃から始まったこの会見は終始騒然とした状況で進行し、12時前に学生部長にドクターストップがかかりました。しかし、寮連は会見の打ち切りを拒み、学寮専門委員会委員長が引き継ぐかたちで夜中3時近くまで、約9時間を費やしてやっと終了しました。このときの会見状況は「学生協だよりNo.1」にも書いてあるように、学生部長の発言を多数の声で妨害し、机を取り囲んで脅迫、強要に類する行為を繰り返し、体調を崩した学生部長への休憩も容易には認めず、また、一部に暴力的行為や破壊的行為が見られる、という有り様でした。
 寮生側からでる議長団は、公平性を欠き、ときとして名前も名のらず、ヤジや怒号の制止すらしません。大学側の発言はヤジや怒号によってしばしば妨げられ、器物損壊などもありました。こうした実態を一部の寮生は「正常な会見」と考えているようですが、とんでもない話です。


なぜこのような会見を続けてきたのか
 このような実態であるにもかかわらず、なぜ大学は上のような異常な会見を続けてきたのか、疑問に思うことでしょう。大学は、このような会見を正常なものと認めたことは一度もありませんが、一部寮生に押し切られるかたちで望まざる会見形態を強いられ、それにつき合ってきたのです。それも、ねばり強く話し合えば分かってもらえるのではないかという望みを捨てなかったからです。ですが、大学の見通しは甘かったようです。上の6回の会見を通じて、寮連は大学の立場をまったく理解しようとしませんでした。もちろん、今後ともねばり強く話し合いを続けていくつもりですが、従来のような寮連のいうところの「大衆団交」ではなく、「代表者会見」を通じて寮生の理解を得ていきたいと考えています。


過去における会見の基本原則
 そもそも、大学は従来から学生との会見を「代表者会見」として、つまり、「学生側の正式な代表と大学側の学生部長や関係委員会委員とのあいだの会見」として位置づけています。「オブザーバーの出席は原則として認めず、時間については2時間を目途、3時間を限度とする」というのが基本であり、過去においても会見の予備折衝で繰り返しこのことを主張してきました。これに対して、寮連の主張する会見形態は、「希望者全員が参加できる時間無制限の団体交渉」というもので、今日の社会通念からは著しくかけ離れたものです。
 そのため、会見の形態をめぐる寮連と大学の主張は平行線をたどったまま今日に至っていますが、オブザーバーの件については、寮連の主張に押し切られるかたちで、やむを得ずある程度のオブザーバー出席を黙認してきました。会見時間についても両者の主張は対立したままですが、寮連と大学の会見に関する予備折衝においては、「2時間を目途、3時間を限度とする」ことでおおむね合意していました。予備折衝では、寮生側からでる議長団についても「議長団は、議事運営について公平を期し、威圧的発言やヤジ・怒号を直ちに制止すること、会見での発言は議長団の指名により行わせること」が合意され、その上で会見に臨んできました。しかしながら、すでに述べたごとく、予備折衝でのこうした合意事項は常に破られてきたのです。


理性的な会見をめざして
 先に示した新しい原則は、これまでの会見原則を基本とし、それに若干の変更を加えたものであることがご理解いただけると思います。これまで、従来からあった原則が守られないままの会見を続けてきたわけですが、今後は「代表者会見」の基本原則に立ち返ることとします。そして、理性的で効率的かつ実りある仕方で学生の意見を聴くつもりです。なお、これまでの学生部長会見が主として寮連とのあいだで行われてきたことに関連して、以上の補足説明は寮連を意識したものとなりましたが、このような考え方は、本学のすべての学生団体との会見に対してもあてはまるものです。







電気料是正問題と有朋寮・日就寮の「入寮募集停止」


電気料負担区分是正問題について
 東北大学に8つある学寮のうち、有朋寮、日就寮、以文寮、霽風寮に対して大学は平成10年度からの電気料負担区分是正を決めました[*]。これは、学寮に請求される電気料金のうち基本料金と共通部分で使用した分を除き寮生個人が使った分を自己負担とする原則に拠っています。これに対する有朋寮、日就寮の寮としての「是正分不払い」運動が続いています。これに関する経過はすでに「学生協だより」第7号までに詳しく書かれています。
 東北大学学生寮自治会連合(寮連)から副総長に対して出されている要求は、電気料問題を議題とする副総長「団交」を開けというものです。しかし、大学として学生の団体の意見を聴いたり、大学の見解を説明する際の会見の基本方針は、前項の「会見のあり方」で示したようなものです。電気料の問題については副総長との会見でなく責任ある代表者による話し合いをするよう呼びかけていますが、寮連はいまだに応ずるどころか、「大学が話し合いを拒否している」と宣伝しています。
[*]他の4寮ではすでに是正されていました。


「自主」募集に応ずると不法入寮になります
 有朋寮と日就寮が寮としての不払い運動を続けている状況に対して、新入生をこの混乱に巻き込まないことを第一に考えて、大学は施設管理運営上の責任と教育の責任を果たすためにこの2寮の新入寮生募集を停止する措置をとりました。新入生にも寮連と2寮の寮委員会にも文書で再三の通知をしています。これにもかかわらずこの2つの寮は「自主募集」を掲げて新入生に働きかけを行っています。大学はこれに対して文書で警告をしました。しかし、これに誘われて寮で暮らすことを決めた新入生がいることを危惧しています。このような学生に大学として入寮を認めることはありません。したがって、不法入寮ということになります。このように迷い込んでしまった新入生を大学は見て見ぬ振りをすることはできません。


大学生活は決して長くない 大事な一歩を良い環境の中で踏み出してほしい
 特に新入生諸君に呼びかけます。諸君の学生生活4年間をじっくりそれぞれの考えで過ごしていこうと思われていることでしょう。失敗を恐れずチャレンジしようと思う人もあるでしょう。大いに工夫してください。しかしその4年間は短いものであり、最初が大事です。諸君が集団の中で流されず、自分の考えと自分の責任で行動を決められる環境で学生生活のスタートを切ることを希望します。大学としては、そのように環境を整える責任があると考えます。また、東北大学の構成員の皆様は新入生諸君のお手伝いをすることにやぶさかではありません。
 新入生諸君は「自主募集」に応じないでください。また、入寮を決めた人は考え直してください。下宿・アパートの紹介については、学生課学生第二掛で行っています。


―― ニュース ――




学生生活実態調査について


 今の不況が学生生活全般に少なからず影響している状況が明らかになりました。様々な悩みを抱えている学生の生活実態がよくわかります。

 昨年12月に『第2回学生生活実態調査報告書』が刊行されました。それによれば、昨今の不況が学生生活全般に少なからず影響をもたらしていることがわかります。また自由記述欄では、授業、課外活動を含めて大学全般に対して多様な意見や要望が出されています。
 今回の報告書は、学生から見た東北大学の現状を示しているだけではなく、現に様々な悩みを抱えている学生の生活実態を活写しているものとしてきわめて貴重な資料であり、できるだけ多くの方々に目を通していただきたいと考えます。
 なお、調査結果の概要については、前号の学生協だより」(No.8でお知らせしましたが、さらに内容を知りたい方は各部局の厚生補導担当や図書館等にお問い合わせの上、報告書を閲覧してください。




片平キャンパス課外活動施設のリニューアルが進んでいます


 老朽化が著しい片平地区課外活動施設の整備については、本学の長年の懸案でありました。
 片平キャンパスは、移転計画もあり、建て替えも困難な状況にありましたが、使用している各部の協力を得て、このたび大規模な修繕を行いました。
 その結果、文化系(交響楽部、演劇部、他6部)、体育系(山岳部、ゴルフ部、他4部)の各部室4棟が見違えるようにリニューアルされ、長年、要望され続けてきた、各部からの声に多少とも応えることができました。
 工事は3月末日に完了しました。


(改修前)                         (改修後)




















川内キャンパス厚生会館の食堂が広くなります


 川内北厚生会館の食堂は、昨年までは昼食時には長蛇の列が続き、利用者に大変不便をおかけしておりました。
 本年3月この混雑の解消を図るために食堂南側の間仕切りを撤去し、新たにピロティに間仕切りを設けて食堂スペースを拡張しました。この食堂スペースを拡張したことに伴い、入り口にあったパンコーナーを増設部分に移動することで出食コーナーへの流れをスムーズにし、また、席数の増設84席増)及び配置の見直しをして利用者のより良い利便性を図ることになりました。


(改修後)




日本育英会の奨学金制度が拡充されます


日本育英会「きぼう21プラン奨学金」について
 平成11年度から、新たな奨学金制度として「きぼう21プラン奨学金」がスタートします。これは、大学審議会答申の『今後は主に経済的困難度を重視する観点から抜本的拡充を図り、学生の経済的必要度に応じて貸与することが必要である。』との指摘があること等を踏まえ、第二種学資金(有利子貸与)について、奨学生の採用規模を抜本的に拡充することとしたもので、これにより、学生が安心して自立した学生生活ができることを期待しています。
 詳細は、各学部の窓口(1・2年次生は川内北キャンパスの学生第二掛)にお尋ねください。


1 採用対象者
 (1) 博士課程を除く全学年を対象とする。
 (2) 第一種学資金(無利子貸与)との併用貸与を受けることができる。
 (3) 平成10年度以前からの第二種学資金(以下「従前の第二種学資金」という)の貸与を受けている者も、希望により、「きぼう21プラン奨学金」への切り替えを認める。


2 貸与月額
 次の月額の中から申込者が選択する。貸与途中で月額を変更することもできる。
 ○ 学部学生 3万円、5万円、8万円、10万円
 ○ 大学院(修士課程)5万円、8万円、10万円、13万円


3 貸与期間
 原則として標準修業年限とする。なお、希望により平成11年4月に遡って貸与を受けることができる。


学 生 生 活 協 議 会 



※『学生協だより』は、東北大学のホームページの【学内掲示板】から参照することができます。(ただし学内からしかアクセスできません)
※この他に学生協からのお知らせを随時掲載する掲示板『キャンパスライフ』が、まもなく東北大学ホームページの【学内掲示板】の下に開設されます。