本文へ
ここから本文です

日本の公共工事の入札談合の分析

 ニューヨーク大学スターンビジネススクールの川合慶助教授と東北大学国際教育院の中林純准教授は、2003年から2006年にかけて国土交通省が全国で発注した工事の入札データを統計的に分析しました。その結果、当該期間中に談合を繰り返した可能性の高い業者が約1,000社、またそれらの業者が落札した工事が約9000億円近くになることをデータ上で示しました。

 本研究では、公共工事等の入札で予定価格を全員が超過した場合に行われる「再度入札」に着目しました。仮に入札が競争的に行われていれば、初回の入札で1位と2位の業者の入札金額の差が小さいほど、初回2位業者が再度入札で勝つ可能性は5割に近づくはずです。しかし実際は、初回わずかな差で敗れた2位業者は、再度入札でもまたほぼ確実に、しかも僅差で負けていることが本研究の調査で判明しました。
 そこで本研究では、まず初めに、観察された1位2位業者の入札の差の分布等を詳細に分析し、このような事態が、談合によって初回1位業者が再度入札で入札する予定の金額を他の業者が事前に知っていなければ生じ得ないことを示しました。
 続いて本研究では、上記の考え方に基づく統計的手法を考案し、期間中に入札に参加したすべての業者の入札を分析しました。その結果、談合をしていた可能性が高い(有意水準95%)業者が約1,000社、またそれらの業者が落札した工事は約7,600件、予算規模で約8,600億円にも及ぶことがわかりました。
 こうした分析方法は、落札率の高止まり等から談合の存在を推測するという従来の入札談合の分析方法とは一線を画すものとなっています。また、談合していた可能性が高いことが判明した業者の中には、期間中に公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立入調査した以外の多数の企業も含まれていることから、本研究結果は、かつて日本の公共工事で談合が蔓延していたことを示す重要な証左となります。

 

詳細(プレスリリース本文)PDF

 

 

問い合わせ先

ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネス
担当:川合 慶
E-mail: kkawai*stern.nyu.edu(*を@に置き換えてください)

東北大学国際教育院
担当:中林 純
Tel:022-795-6317
E-mail: nakabayashi*econ.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ