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磁性材料の特性を左右する欠陥構造の特定に成功

磁性材料の特性を左右する欠陥構造の特定に成功
-理論計算の予測を実験で再現- 東北大・英ヨーク大学の共同研究

東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の幾原雄一教授(東京大学教授併任)と王中長准教授、陳春林助教の研究グループは、英国ヨーク大学と共同で、第一原理計算による構造探索と世界最先端の超高分解能走査透過型電子顕微鏡を駆使し、磁性材料である四酸化三鉄(Fe3O4)(黒錆)中の面状欠陥構造を、原子レベルで決定することに初めて成功しました。

本研究グループは、結晶中の格子欠陥である転位や粒界・界面を対象にして、その構造解析や格子欠陥を制御した新機能材料の開発を試みてきました。近年の原子分解能走査透過電子顕微鏡法の技術革新と第一原理による大規模な理論計算を併用することによって、今回の成果に至りました。

これまで、四酸化三鉄(Fe3O4)の面状欠陥構造は、物質全体の磁性を大幅に弱める要因であると予測されていましたが、本研究によりその原子構造だけでなく欠陥が持つ磁気特性も解明することができました。今後、本研究を起点にし、このような欠陥構造の形成を制御することで、磁性材料の特性向上や格子欠陥構造を活用したスピントロニクスデバイスの設計、新機能材料の研究開発につながることが期待されます。

本成果は2014年12月10日(英国時間)に英科学誌「Nature Communications (ネイチャー・コミュニケーションズ)」オンライン版で公開されます。

参考図

四酸化三鉄(Fe3O4)の3次元立体図。青色は(四面体構造の)鉄原子、灰色は(八面体構造の)鉄原子、赤色は酸素原子を示す。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

研究に関すること
東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 教授
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 教授
幾原 雄一(イクハラ ユウイチ)
TEL:03-5841-7688
E-mail:ikuhara*sigma.t.u-tokyo.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学原子分子材料科学高等研究機構
王 中長(ワン チョンチャン)准教授
陳 春林(チェン チュンリン)助教
TEL: 022-217-5933
E-mail:zcwang*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
E-mail:chen.chunlin*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

報道担当
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 広報・アウトリーチオフィス
中道 康文(ナカミチ ヤスフミ)助教
TEL:022-217-6146
E-mail:outreach*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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