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光パルスにより超高速で磁気秩序を制御することに成功-スピントロニクス応用へ道を拓く-

 東北大学大学院理学研究科の松原正和准教授らは、光パルスの照射により磁性体の磁気秩序を超高速で制御することに成功しました。

 現在のエレクトロニクスは、電子の持つ「電気を流す性質(電荷)」によって機能しています。近年、電荷に加えて電子の持つ「磁石になる性質(スピン)」も積極的に利用する「スピントロニクス」が次世代エレクトロニクスとして注目を集めています。スピントロニクス技術は、既にハードディスクなどで実用化されており、また将来的にも低消費電力・高密度のデバイスを目指す際の基本原理として、近年盛んに研究されています。ここでは、主役となるスピン(磁気)をいかに自由に高速で制御できるかが新規デバイス性能の鍵を握っています。

 今回、松原准教授らは、ある種の磁性体に超短光パルスを照射することで、磁気的な相互作用を1ピコ秒(ピコは1兆分の1)程度の超短時間で制御することに成功しました。この成果は、磁性体の性質を決める最も重要なスピン間の相互作用を、光により直接瞬時に制御する新たな方法として、将来における超高速光スピントロニクスなどへの応用が期待されます。

本研究は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のManfred Fiebig教授、ドイツ・ボン大学のJohann Kroha教授、ドイツ・マックスプランク研究所のJochen Mannhart教授、アメリカ・コーネル大学のDarrell Schlom教授らと共同で行ったものです。

本研究成果は、2015年4月2日10時(英国時間)に英国科学雑誌「Nature Communications」においてオンライン公開されました。

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問い合わせ先

東北大学大学院理学研究科 准教授
松原 正和
Tel: 022-795-6421
Fax: 022-795-6425
E-mail: m-matsubara*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)


東北大学大学院理学研究科 広報・アウトリーチ支援室
Tel: 022-795-6708
Fax: 022-795-5831
E-mail: sci-koho*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えたください)

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