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"宇宙の氷"で大マゼラン雲を探る~天の川銀河との違いが明らかに~

生まれたばかりの星(原始星)の周囲には、様々な分子が氷の状態で存在していることが知られています。その中には惑星や生命の材料となる水や有機物も含まれています。東北大学、東京大学、パリ第11大学の研究者からなる国際研究チームは、チリにある超大型望遠鏡及び赤外線天文衛星「あかり」を用いた観測データから、大マゼラン雲にある複数の原始星の周囲に氷の状態の水やメタノールといった分子を検出し、大マゼラン雲では、我々の住む天の川銀河と比べて、最も単純な有機分子の一つであるメタノール分子の氷の存在量が低いということを明らかにしました。この結果は、他の銀河における星や惑星の材料物質の化学的多様性を明らかにした重要な結果です。大マゼラン雲は、我々の住む天の川銀河とは環境が大きく異なる銀河です。そこでは、生命のもとになりうる、より大型の有機分子は生成されにくいのか、それとも全く別の種類の分子が存在しているのか、今後のより詳細な観測によりこれらの謎が明らかにされることが期待されます。

(画像はESA/Hubbleより)

問い合わせ先

東北大学大学院理学研究科
天文学専攻
助教 下西 隆(しもにし たかし)
E-mail:shimonishi*astr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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