本文へ
ここから本文です

光パルスを用いた金属磁石表面の磁気の波の発生と検出に成功 -将来の高速・低消費電力情報処理デバイスの開発に寄与-

東北大学大学院工学研究科博士課程後期3年飯浜賢志と東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)の水上成美教授は、東北大学大学院工学研究科安藤康夫教授らと共同で、金属磁性体表面の磁気の波(スピン波)を光パルスで発生させ、高精度に観測することに成功しました。
 磁性体には特異な磁気の波が存在することが古くから知られています。近年、磁気の波を情報の処理や伝達の媒体として用いる技術が提案され、その物理的性質の理解に加え、磁気の波の発生・制御・検出方法の研究が世界的に行われています。これまで、フェライトやガーネット等の磁性絶縁体において、光パルスを用いた磁気の波の発生と観察の研究が進められて来ましたが、金属磁性体ではその明瞭な観察や定量的な解析の報告がありませんでした。
 本研究では、二つの光パルスを用いた高時間分解・走査型磁気光学顕微鏡を独自に構築し、光パルスによって金属磁性体に磁気の波を発生させ、ピコ秒の時間スケールで磁気の波が伝播する様子を精密に観測、定量的に解析することを世界に先駆けて達成しました。磁気の波を用いた将来の低消費電力・高速の情報処理デバイスの開発に寄与する成果です。 
 本研究成果は、7月1日(米国時間)に、米国物理学会「Physical Review B」(フィジカルレビュービー)の「Rapid Communication」(速報版)に掲載されました。

二つの光パルスを用いた走査型のポンプ・プローブ磁気光学顕微鏡と磁気の波(スピン波)の概念図

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)
水上 成美 (ミズカミ シゲミ)
Tel: 022-217-6003
E-mail: mizukami*wpi-aimr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)
広報・アウトリーチオフィス
皆川 麻利江 (ミナガワ マリエ)
Tel: 022-217-6146
E-mail: aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ