本文へ
ここから本文です

大西洋の爆弾低気圧によって励起された脈動実体波

 2014年12月9日爆弾低気圧が大西洋で発生しイギリスやアイルランドに被害をもたらしました。その際に海洋波浪により発生したP波は地球深部を伝播し日本にまで到達しました。観測されたP波の振幅は0.1μmと一見小さいですが、同じ地域で起こったマグニチュード6の地震にも匹敵するものです。このような海洋波浪起源の地震波は、近年、地球内部構造を調べる上で注目されています。

 東京大学地震研究所の西田准教授、東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センターの高木涼太助教は、嵐による海洋波浪が励起する脈動S波を初めて検出し、観測データから嵐がどのように地震波(P波・S波などの実体波)を励起しているかを明らかにしました大西洋で発生した爆弾低気圧時の日本の地震計記録を解析し、爆弾低気圧によって励起された周期5-10秒のP波・S波を検出し、震源位置と強さを推定しました。低気圧の移動にともない震源は海底の等深線に沿って移動している事が分かりました。

 本研究は、遠く離れた嵐によって励起された地震波を使って嵐直下の地球内部構造が推定できる可能性を示しています。地震、観測点ともに存在しない海洋直下の構造を推定できる可能性を意味し、地球内部構造に対して大きな知見を与える可能性があります。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

【研究に関すること】
東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター
助教 高木 涼太(たかぎ りょうた)
TEL:022-225-1950
E-mail:ryota.takagi.c*ttohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

【報道に関すること】
東北大学大学院理学研究科
特任助教 高橋 亮(たかはし りょう)
電話:022−795−5572、022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ