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統合失調症における標的分子の新しい生理機能を発見-細胞内ドパミンD2受容体は新たな創薬標的になる-

東北大学大学院薬学研究科の福永浩司教授、岐阜薬科大学の塩田倫史准教授らの研究グループはと統合失調症治療の標的分子として知られるドパミンD2受容体の新しい生理機能を発見しました。

ドパミンは感情・意欲・運動・学習などに関わる重要な脳の伝達物質です。ドパミンが結合するドパミン受容体の中で、ドパミンD2受容体は統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)やパーキンソン病などの様々な精神疾患に対する治療薬の標的になっています。しかし、ドパミンD2受容体と精神・運動との関わりは不明でした。

本研究では、ドパミンD2受容体の新しい細胞内活性化メカニズムを見出し、そのメカニズムが抗精神病薬による精神安定作用と運動機能制御に関与することを証明しました。

ドパミンD2受容体にはD2L受容体とD2S受容体の2種類の構造の異なる受容体が存在します。本研究では、D2L受容体が細胞膜表面だけでなく、細胞内小器官(初期エンドソームとゴルジ装置)にも局在し、細胞内D2L受容体の活性化により抗精神病薬による精神安定作用と運動機能制御作用を増大することを明らかにしました。

本成果は2016年12月6日(日本時間7日)にMolecular Psychiatry誌(電子版)に掲載されました。本研究は、文部科学省科学研究費助成事業及び日本医療研究開発機構 AMED の支援を受けて行われました。

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問い合わせ先

東北大学大学院薬学研究科
担当 福永浩司
電話:022-795-6836
E-mail:kfukunaga*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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