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免疫細胞がシリカ粒子を認識する機構を発見 シリカ粉じん暴露による肺炎発症機構の一端を解明

 東北大学学際科学フロンティア研究所の中山勝文准教授の研究グループは、同大学院工学研究科の森本展行准教授、同大学院情報科学研究科の木下賢吾教授、およびサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターの田代学教授の研究グループとの異分野融合共同研究により、シリカ(二酸化ケイ素)粒子を認識する受容体を発見しました。

 シリカは地殻の6割を占める地球上で最も多い化合物の一つであり、その粉塵微小粒子を大量に吸い込むと数年に渡って肺の慢性的な炎症が起き、塵肺と呼ばれる重篤な肺疾患が発症します。その炎症機構として、シリカ粒子が体内に入るとマクロファージという免疫細胞がそれを捕食しIL-1などの炎症性サイトカインを放出することが引き金となることが判っていました。しかしながら、どのようにマクロファージがシリカ粒子を取り込むのかは不明でした。

 今回の成果により、マクロファージ上に発現するスカベンジャー受容体クラスBメンバー1(SR-B1)がシリカ粒子を認識することが明らかとなりました。本研究は粉塵微小粒子が引き起こす炎症性疾患の病態解明に貢献することが期待されます。

 この成果は2017年1月31日(日本時間2月1日午前2時)に米国科学雑誌「Cell Reports」の電子版に掲載されました。本研究は、文部科学省研究費補助金、日本医療研究開発機構(AMED)創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業、公益財団法人内藤記念科学振興財団、公益財団法人住友財団の支援を受けて行われました。

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お問い合わせ先

(研究に関して)
東北大学学際科学フロンティア研究所
新領域創成研究部
准教授 中山 勝文(なかやま まさふみ)
電話:022-795-5259
E-mail:mnakayama*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関して)
東北大学学際科学フロンティア研究所
企画部URA
特任准教授 鈴木 一行(すずき かずゆき)
電話:022-795-4353
E-mail: suzukik*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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