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海辺の生物も津波に「負げねぞ!」-海産巻貝ホソウミニナでの研究成果

東日本大震災に伴う大津波は、東北沿岸の広い範囲に大きな被害をもたらしました。高知大学・東北大学・国立環境研究所・日本大学・東京大学の合同研究チームは、海岸に生息する巻貝ホソウミニナへの津波の影響を約10年間にわたり調査しました。その結果、仙台湾周辺の6つの干潟において、ホソウミニナの大多数が津波で死滅したにも関わらず、遺伝的な多様性には大きな変化がなかったことを突き止めました。遺伝的多様性は、生物の種が長期間存続していく上で欠かすことができない重要な要素です。こうした結果は、ホソウミニナが、大津波のような自然災害に対して高い頑強性を持つことを示しています。

巨大津波が海岸動物の個体群構造(生息密度や体のサイズ)と遺伝的多様性に及ぼした影響を、震災前後のデータを比較して解き明かした研究は世界で初めてです。

本研究成果は、2017年3月10日付で国際科学雑誌Scientific Reports電子版に掲載されました。

調査を行った干潟の1つ、宮城県東松島市潜ヶ浦(かつぎがうら)の津波後の風景(写真左側)と、津波を生き抜いたホソウミニナ(写真右側)。2012年4月撮影。

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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
教授 占部 城太郎(うらべ じょうたろう)
TEL:022-795-6681
E-mail:urabe*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか(たかはしさやか)
TEL:022-217-6193
E-mail:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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