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トランス脂肪酸による疾患発症機序の一端を解明-動脈硬化症発症のメカニズム解明に繋がる発見-

発表のポイント

  • 食品中に含まれるトランス脂肪酸が細胞の自殺(細胞死)を促す仕組みを発見。
  • 過剰な細胞死は、動脈硬化症の発症・進展につながる。
  • 動脈硬化症等の、疾患メカニズム解明につながることが期待される。

概要

 東北大学大学院薬学研究科の平田祐介助教、野口拓也准教授、松沢厚教授、青木淳賢教授、福永浩司教授らの研究グループは、動脈硬化症や生活習慣病などの様々な疾患のリスクファクターとされているトランス脂肪酸が、自己由来の起炎性因子の1つである細胞外ATPにより誘導される細胞死を促進することを明らかにしました。細胞外ATPをはじめとした自己由来の起炎性因子は、障害を受けた組織から漏出し、マクロファージなどの免疫担当細胞に作用することで、炎症や細胞死を惹起します。動脈硬化症の発症・進展には、病巣における自己由来起炎性因子の漏出や、マクロファージによる炎症や細胞死が主要な寄与を果たすことから、本研究で明らかになったトランス脂肪酸による細胞死亢進作用は、その摂取に伴う動脈硬化症発症・進展に寄与していることが想定され、これまで未解明だった疾患発症機序の一端の解明に繋がる発見となりました。

 本研究の成果は、3月29日(日本時間30日)にJournal of Biological Chemistry誌(電子版)に掲載されました。本研究は、長井記念薬学研究奨励支援事業、文部科学省および日本学術振興会による科学研究費助成事業の支援を受けて行われました。

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問い合わせ

東北大学大学院薬学研究科
担当 野口拓也、松沢厚
電話:022-795-6827、022-795-6830
E-mail:noguchi*m.tohoku.ac.jp (野口)(*を@に置き換えてください)
    matsushi*m.tohoku.ac.jp(松沢)(*を@に置き換えてください)

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