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鉄カルコゲナイド超伝導体の超伝導転移温度の謎を解明―構造相転移と超伝導とは競合関係―

発表のポイント

  • 鉄系超伝導体の一つである鉄カルコゲナイド超伝導体の温度組成相図で最大の謎の起源を明らかにしました。
  • 構造相転移が存在する領域では、超伝導転移温度が強く抑制されることから、超伝導と構造相転移とは競合関係にあることが示唆されます。
  • 2種類の基板材料に相分離のない薄膜試料を作製したことが、成功のカギとなっています。

概要

 東北大学大学院理学研究科物理学専攻の今井良宗講師と東京大学大学院総合文化研究科の前田京剛教授、鍋島冬樹助教の研究グループは、鉄カルコゲナイド超伝導体の薄膜の超伝導と構造相転移との競合関係を直接的に明らかにすることに成功しました。本研究成果は英国nature publishing groupのオープンアクセス科学雑誌「Scientific Reports」にて平成29年4月21日(英国時間)付けで公開されました。

図:アルミン酸ランタン(LaAlO3をLAOと略記)とフッ化カルシウム(CaF2)基板上に作製した鉄カルコゲナイド超伝導体FeSe1-xTex薄膜の温度-組成相図。Tsは構造相転移温度、Tcは超伝導転移温度(上付き文字のBulkは、バルク試料を意味している。バルク試料ではテルル量が0.1-0.4の領域は相分離のために、試料を作製することができない)。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究について>
東北大学大学院理学研究科物理学専攻
講師 今井 良宗(いまい よしのり)
電話:022-795-5570
E-mail:imai*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道について>
東北大学大学院理学研究科
特任助教 高橋 亮(たかはし りょう)
電話:022−795−5572、022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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