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ニッケルアレルギー発症に関わるニッケル結合タンパク質を発見 ‐金属アレルギーの予防・治療への応用に期待‐

 東北大学大学院歯学研究科口腔分子制御学分野の黒石智誠助教と菅原俊二教授らのグループは、ニッケルアレルギーの発症に関わるニッケル結合タンパク質はケモカインの1種であるCXCL4であることを発見しました。
 身の回りにある金属製品から溶出した金属イオンは、生体内に侵入すると金属アレルギーを引き起こし、接触性皮膚炎などのアレルギー症状を誘発します。様々な金属の内、ニッケルは抗原性検査における陽性率の高さなどから最も重要視されています。生体内に侵入したニッケルイオンは、何らかの自己分子に結合することにより免疫システムに認識されるハプテンの1種であると考えられていますが、そのパートナー分子などの詳細は明らかになっていませんでした。
 本研究では、実験動物(マウス)の血清から新規ニッケル結合タンパク質としてCXCL4を精製しました。さらに、ニッケルアレルギーモデルマウスを用いた動物実験により、CXCL4がニッケルアレルギーを増強することを明らかにしました。本研究はニッケルアレルギーの発症機構を解明する重要な基礎研究であり、ニッケルアレルギー、ひいては金属アレルギーの予防・治療法への応用が期待されます。
 この成果は平成29年4月22日に英国アレルギー臨床免疫学会誌「Clinical & Experimental Allergy」電子版に掲載されました。

【研究のポイント】

  • 新規ニッケル結合タンパク質としてCXCL4を発見した。
  • CXCL4はニッケルアレルギーを増強した。
  • CXCL4がニッケルアレルギーの予防・治療法への応用の可能性が期待される。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学大学院歯学研究科 口腔分子制御学分野
助教 黒石 智誠(くろいし としのぶ)
Tel:022-717-8321
E-mail:toshinobu.kuroishi.e1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学大学院歯学研究科 総務係
堀田 さつき(ほりた さつき)
Tel:022-717-8244
E-mail:den-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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