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銀河の形を運命づけた110億年前の転換現象 ~すばる×ハッブル×アルマの最強タッグで完全解剖~

現在の宇宙にある最重量級の銀河は楕円の形をしていますが、その多くは、かつては私たちが住む天の川銀河のような円盤状の形をして回転していたと考えられています。古代の銀河は、いったいどのようにしてその姿形を変えたのでしょうか?その答えの鍵は銀河の星々の多くが生まれた今から110億年前の宇宙にありました。マックスプランク地球外物理学研究所・国立天文台・東北大学等の研究者からなる国際チームは、従来の定説である『銀河の衝突合体説』に加えて、別の進化経路があったことを示す決定的な証拠を発見しました。世界最高性能の望遠鏡群(すばる・ハッブル・アルマ)を駆使して、110億光年彼方の銀河の中心部で、大量の星が天の川銀河全体の約40倍のペースで急激に生まれていることを突き止めました。この爆発的な星形成活動により、銀河は合体をしなくても、自らその形を変えることができたのです。

図

円盤型の銀河から楕円型の銀河へと進化する道筋の模式図。従来は2つの円盤型銀河が衝突合体して楕円型銀河へと進化すると考えられていました(上)。今回の観測では、円盤型銀河の中央部で激しい星形成が起きることによって楕円型へと進化する新たな道筋が明らかになりました(下)。
Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration, A. Evan, K. Noll, and J. Westphal, NAOJ

問い合わせ先

東北大学大学院理学研究科
天文学専攻
教授 兒玉 忠恭(こだま ただゆき)
電話:022-795-6503
E-mail:kodama*astr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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