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がん細胞の代謝をリアルタイムに測定できる手法を確立 ‐がん代謝研究の新展開に期待‐

 東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の高橋信博教授、鷲尾純平講師および同研究科顎顔面口腔外科学分野の森島浩允歯科医師らの研究グループは、がん細胞の代謝活性を測定する新たな手法を確立し、環境因子の変動などによる代謝の変化をリアルタイムにモニターする手法の確立に成功しました。
 がん細胞は、がん細胞に特徴的な代謝を持ち、グルコースから酸を産生し、がん組織の周辺環境を酸性にすることが知られています。しかしこれまで、がん細胞の代謝をリアルタイムにモニターする方法は確立されておらず、また、がん細胞代謝に対する環境pHの影響については不明な点が多くありました。今回、口腔扁平上皮癌細胞を用いてグルコースなどの代謝に伴い、産生された酸を継時的に測定することで、その代謝活性をリアルタイムにモニターできるシステムの構築に成功しました。また、本手法を用いて、環境pHの変動に伴い、本細胞の代謝活性が変化することも明らかにしました。
 本手法は、がん細胞はもちろんのこと種々の細胞の代謝研究に応用しうるとともに、抗がん剤の評価にも応用することが可能であり、新規抗がん剤の開発や、より効果的な抗がん剤の使用法の確立などに寄与することが期待されます。
 本研究成果は、平成29年8月30日付でScientific Reports誌に掲載されました。

新たなリアルタイム代謝測定法

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問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野
教授 髙橋 信博(たかはし のぶひろ)
講師 鷲尾 純平(わしお じゅんぺい)
電話:022-717-8294/8295
E-mail:OEB*dent.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
総務係 堀田 さつき(ほりた さつき)
電話:022-717-8244
E-mail:den-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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