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塩素消毒はノロウイルスへの淘汰圧として作用する-社会インフラが抑制するノロウイルスの進化-

国立大学法人東北大学(総長:大野英男)大学院環境科学研究科の佐野大輔准教授は、本学大学院工学研究科、北海道大学、愛媛大学、長崎大学、北里大学と共同で、塩素による消毒処理がノロウイルスに対する淘汰圧として作用することを世界で初めて証明しました。ノロウイルスは遺伝的に多様であるため、ほぼ毎年異なる遺伝系統のノロウイルスが流行しています。ノロウイルスはトイレからの汚水に多く含まれていることから、下水処理場、浄化槽及び集落排水処理施設などで処理水を十分に消毒することで、水を介したノロウイルスの感染を防ぐのみならず、遺伝的な多様性を低下させて新型の出現確率を下げることが可能と言えます。また、本研究の成果は、適切な汚水処理施設が普及していない途上国が、新型ノロウイルスの出現現場となっていることを示唆するものです。持続可能な発展目標(Sustainable Development Goals)にも設定されている「汚水処理施設の全世界的な普及」に積極的に取り組むことは、新型ノロウイルスの出現を防ぎ、日本国内への輸入感染発生の可能性を減じる効果があると言えます。

本研究は2018年4月27日付「Applied and Environmental Microbiology」で公開されました。

図1.遊離塩素による繰り返し曝露実験の概要。コントロール系では遊離塩素処理を行わず、代わりに希釈のみを行った。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学大学院環境科学研究科
先端社会創成学専攻
准教授 佐野 大輔
電話 022-795-7481
E-mail daisuke.sano.e1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学大学院環境科学研究科
情報広報室
助手 物部 朋子
電話 022-752-2241
E-mail tomoko.monobe.d4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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