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ドミノ転位反応で新規アニリンの効率的な合成法を開発ー新薬・新材料開発への応用を期待-

【発表のポイント】

  • 4つの連続した炭素上に原子団(注1)をもつアニリン(注2)化合物の効率的・選択的な合成法の開発。
  • 銅を触媒として用いたドミノ転位という反応形式により実現。
  • 新薬や新材料の開発への応用が期待できる。

【概要】

アニリン化合物は、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)をはじめとした医薬品や液晶や有機ELなどの有機材料として幅広く利用されており、それらの性質をコントロールする原子団を持ったアニリン化合物の効率的な合成法の開発は重要です。東北大学大学院理学研究科化学専攻の石田恭裕博士、中村達准教授、寺田眞浩教授は、市販の化合物から容易に得られる物質を用い、4つの原子団(アミノ基、メトキシ基、アルキル基+任意の原子団)が連続的に配置されたアニリン化合物が効率的に合成される新手法(ドミノ転位反応)を開発しました。

従来の方法では、このようなアニリン化合物の合成は、多段階の過程が必要であり、効率性も低いものでした。本成果は、市販の有機化合物から容易に得られる物質に対して銅を触媒として作用させることにより、これまで有機合成においてあまり活用例のない「ドミノ転位反応」という形式で、この多置換アニリン化合物の効率的合成を実現しました。

この手法により合成された新規アニリン化合物が新薬や新材料の開発に応用されることが期待できます。

【用語等説明】

注1)分子中において原子が化学結合で連結した部分構造のこと。アミノ基(NH2)、メトキシ基(OCH3)など。また、ベンゼンなどの特定の母核構造に対して結合した原子団のことを置換基という。

注2)アミノ基(NH2)がベンゼンに結合した化合物。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院 理学研究科化学専攻
准教授 中村 達(なかむら いたる)
電話:022-795-6754
E-mail:itaru-n*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院 理学研究科
特任助教 高橋 亮(たかはし りょう)
電話:022−795−5572、022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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