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鉄鋼材料や半導体の性能向上に貢献するホウ素の分析強度を3倍以上に向上させることに成功

【発表のポイント】

  • 鉄鋼材料や半導体デバイスの性能を左右する微量なホウ素の分析強度向上
  • 新たな分析装置を試作・実証、さらなる強度向上の可能性

【概要】

東北大学多元物質科学研究所 先端計測開発センター教授の寺内正己ならびに助教の羽多野忠、量子科学技術研究開発機構客員研究員の小池雅人、株式会社島津製作所、日本電子株式会社は、電子顕微鏡用軟X線発光分光器(SXES) ※1を改良し、ホウ素※2の分析強度を3倍以上に高めることに成功しました。

ホウ素は、微量でも鉄鋼材料や半導体デバイスの性能に大きな影響を与える物質として知られています。4者は、過去に製品化した電子顕微鏡用SXESの性能向上ニーズに応えるため、新たなSXESの試作および実証試験を行いました。微量なホウ素の分析は、軽量かつ高強度な鋼板の生産や半導体デバイスの高効率化に関する研究開発に貢献することが期待されます。

なお、東北大学多元物質科学研究所 先端計測開発センターは、2018年8月8日に米国メリーランド州バルチモア市で開催されたアメリカ顕微鏡学会(Microscopy & Microanalysis 2018)でこの研究成果を発表しました。

【用語説明】

※1. SXES:Soft X-ray Emission Spectrometer

※2. ホウ素:ボロンとも呼ばれる。鉄鋼材料の強度向上に重要な元素として知られており、ホウ素添加量の調整が重要とされる。また、シリコン半導体デバイスは、局所的なホウ素の添加によってその機能を実現しており、極めて重要な元素である。いずれの場合においてもホウ素の添加量は0.01%程度と微量であり、検出と分布の可視化が、鉄鋼材料や半導体デバイスの高品質化や高性能化の鍵となっている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所 先端計測開発センター
教授 寺内 正己(てらうち まさみ)
電話:022-217-5372
E-mail:masami.terauchi.c4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所 広報情報室(担当:伊藤)
電話:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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