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体細胞遺伝子の抑制による生殖細胞形成の分子機構

【発表のポイント】

  1. 生殖細胞が胚発生の初期段階で形成される際に必要なタンパク質として、ヒストン脱アセチル化酵素HDAC3を同定しました。
  2. HDAC3は、形成期の生殖細胞において、体細胞で働く遺伝子の発現を阻害することがわかりました。
  3. HDAC3が標的とする体細胞遺伝子には、生殖細胞形成に必要な遺伝子の発現を抑制する働きがあることがわかりました。

【概要】

東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センターの松居靖久(まついやすひさ)教授と望月研太郎(もちづきけんたろう)助教(現・ブリティッシュコロンビア大学・研究員)は、林陽平(はやしようへい)助教、関中保(せきなかたもつ)特別研究員らとともに、マウス生殖細胞が胚発生の初期に形成される際に必要なタンパク質としてHDAC3を同定しました。さらにHDAC3は、生殖細胞形成に働くタンパク質BLIMP1と協調し、形成期の生殖細胞において体細胞遺伝子群の発現を抑制し、その制御下にある生殖細胞形成に必要とされる遺伝子の発現を保障していることを明らかにしました。本研究成果は、世代継承を担う生殖細胞の形成を制御する根本原理の一端の解明につながる可能性があります。研究結果は、Cell Reports電子版に掲載されます。

図 HDAC3の作用機構
HDAC3は、BLIMP1と協調してHoxa1などの体細胞遺伝子群の発現を抑制し、その制御下にある始原生殖細胞(PGC)形成に必要な遺伝子群(PGC遺伝子群)の発現を保障している。

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問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学加齢医学研究所
教授 松居靖久(まついやすひさ)
電話番号:022-717-8571、022-717-8572
E-mail:yasuhisa.matsui.d3*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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