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無欠陥・配置制御ナノピラー構造により表面濡れ性を自在に制御 --バイオテンプレート極限加工により作製した無欠陥ナノ構造だけで撥水性実現--

【概要】

東北大学産学連携先端材料研究開発センター(MaSC)、材料科学高等研究所(AIMR)および流体科学研究所(IFS)の寒川誠二教授および大堀大介博士研究員らのグループは、独自技術であるバイオテンプレート技術と中性粒子ビーム加工技術を融合して高均一・高密度・無欠陥の直径10ナノメートル(以下、nm)サイズの均一で高密度な間隔制御された無欠陥シリコンナノピラー構造を作製することに成功し、その表面状態や間隔・深さを制御することで世界で初めて表面の濡れ性を親水から撥水まで自在に制御することに成功しました。これは、トップダウン加工注1(ドライエッチング)であるがゆえに材料を問わず配置制御して作製でき、また、究極まで表面の欠陥を抑制できることから、あらゆる材料の表面で親水性から撥水性まで表面濡れ性を自在に制御できることを初めて示したものです。撥水の研究は、学術的な表面科学の分野だけでなく、建設資材、化粧品、繊維処理、エレクトロニクス、光学機器、ミリ波レーダーシステム、エネルギーデバイスなどの産業分野でも、極めて注目を集めています。今回の成果はあらゆる材料表面での濡れ性を設計することが可能となる新技術になります。本研究成果は2018年10月26日(日本時間)に第65回米国真空学会(AVS)国際会議で発表されました。

図1 バイオテンプレートと中性粒子ビームを用いた量子ドット作製技術

【用語解説】

注1)トップダウン加工
トップダウン加工とは、大きな材料を微細な構造に加工していく方式である。トップダウン方式はおもに、構造体を転写するリソグラフィ、「液体を用いた化学反応によるウェットエッチング」や「プラズマやイオンなどによって形状加工するドライエッチング」を用いて加工することである。

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問い合わせ先

<研究に関すること>
寒川 誠二(サムカワ セイジ)
東北大学産学連携先端材料研究開発センター副センター長
東北大学材料科学高等研究所(AIMR)主任研究者
東北大学流体科学研究所未到エネルギー研究センター長
 グリーンナノテクノロジー研究分野 教授
TEL/FAX:022-217-5240
E-mail : samukawa*ifs.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道担当>
東北大学材料科学高等研究所 広報・アウトリーチオフィス
TEL: 022-217-6146
E-mail : aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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