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仮設住宅での社会参加と健康状態との関連が明らかに -プレハブ仮設住宅では社会参加の良い健康状態への寄与が39.5%-

【研究のポイント】

  • 東日本大震災後の仮設住宅に入居している被災者において、社会参加があることが良い健康状態と関連していた。
  • プレハブ仮設住宅の被災者では、みなし仮設住宅の被災者と比べて社会参加をしている人の割合が大きかった。
  • プレハブ仮設住宅では社会参加をしている人の割合が大きいことが、良い健康状態の維持に寄与していた可能性が示唆された。
  • これらの結果から、震災後のプレハブ仮設住宅におけるボランティアや自治体による社会参加の機会の提供(イベント開催など)が、被災者の健康状態の維持に寄与していた可能性が示唆された。

【研究概要】

 地域の行事や集まりに行くといった社会参加は人々のつながりを増やし、健康情報やソーシャル・サポートの入手などを通して良い健康状態につながることが多くの研究で明らかになっています。本研究では宮城県が2012年に実施した仮設住宅入居者を対象とした健康についてのアンケート調査のデータを分析し、健康状態と社会参加の関連を明らかにしました。その結果、社会参加のある人では健康状態が良いという関連が明らかになりました。また、社会参加のある人の割合はプレハブ仮設住宅入居者では38.2%、みなし仮設住宅入居者では15.4%と大きな差がありました。これはプレハブ仮設住宅では、ボランティアや自治体によりイベントが頻繁に開催されていたことが理由と考えられます。それぞれの仮設住宅で社会参加が良い健康状態に寄与している割合を計算したところ、プレハブ仮設住宅では主観的健康観で39.5%、メンタルヘルスでは47.1%、みなし仮設住宅ではそれぞれ14.4%、19.5%であり、プレハブ仮設住宅では社会参加が健康状態に寄与している割合がより大きいことが分かりました。

本研究成果は2018年10月20日に疫学の国際科学雑誌Journal of Epidemiologyに電子版が掲載されました。

図1:仮設住宅の種類別の社会参加の良い健康状態への寄与の割合

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
国際歯科保健学分野
准教授 相田 潤(あいだ じゅん)
電話:022-717-7639
E-mail:j-aida*umin.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
総務係
電話:022-717-8244
E-mail:den-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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