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お父さんにも産後のケアを!- 健やかな親子関係の構築のために -

【発表のポイント】

  • 出生後の赤ちゃんに対して「愛おしい」「守ってあげたい」という感情を抱けない状態は、ボンディング障害注1と呼ばれる。
  • 母親だけでなく父親にも赤ちゃんに対するボンディング障害があり、そのリスク因子に、①母親のボンディング障害、②妊婦へのドメスティックバイオレンス(DV)、③父親の産後うつ、の3つがあることを明らかにした。
  • 健やかな親子関係の構築のためには、出産後の父親のメンタルヘルスケアも重要である。

【研究概要】

東北大学大学院医学系研究科非常勤講師(兼:福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター教授)の西郡秀和(にしごおり ひでかず)、東北大学東北メディカル・メガバンク機構准教授の小原拓(おばら たく)、東北大学大学院医学系研究科婦人科学分野教授の八重樫伸生(やえがし のぶお)らエコチル調査宮城ユニットセンターのグループは、父親の赤ちゃんに対するボンディング障害のリスク因子が、①母親のボンディング障害、②妊婦へのドメスティックバイオレンス(DV)、③父親の産後うつ、であることを明らかにしました。本研究は、ボンディング障害を予防するためには、父親のメンタルヘルスケアも重要であることを明らかにした重要な報告です。

本研究成果は、The Journal of Maternal-Fetal & Neonatal Medicine誌(電子版)に掲載されました。

本研究は、環境省が実施しているエコチル調査を担当している宮城ユニットセンター独自の追加調査として行われました。本研究は研究者の責任によって行われているもので、政府の公的見解を示したものではありません。追加調査の実施・解析にあたっては、日本学術振興会(基盤研究C研究課題/領域番号24592457)、公益社団法人メンタルヘルス岡本記念財団、そして日本医療研究開発機構(AMED)の援助を受けました。

【用語説明】

注1. ボンディング障害:我が子を愛おしく思い、親として守ってあげたいと思うといった、親が子どもに抱く感情を持てない障害。①子どもに無関心な状態、②子どもを拒絶する、③子どもへの怒りがある。

注2. 赤ちゃんへの気持ち質問票:子どもへの抱く気持ちについて調査する質問票であり、得点が高いほど子どもへの否定的な感情が強い。10項目の質問項目からなり、1項目あたり0から3点である。4つの項目は「わが子への情緒的絆の欠如」、4つの項目は「わが子への怒り・拒絶(怒り・拒絶)」と関連する。

図1.ボンディング障害とは

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学院医学系研究科環境遺伝医学総合研究センター
非常勤講師 西郡秀和(にしごおり ひでかず)
電話番号: 022-717-8082
Eメール: nishigori*med.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
電話番号: 022-717-7891
FAX番号: 022-717-8187
Eメール:  pr-office*med.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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