本文へ
ここから本文です

日本最古の鉱床から新鉱物を発見!! 〜放射光X線回折実験により、新しいタイプの結晶構造と判明〜

 【発表のポイント】

  • 日本最古の茨城県日立鉱山不動滝鉱床から、新鉱物が発見された。
  • 茨城県から新鉱物が発見されたのは初めて。
  • 新鉱物「日立鉱」の化学組成・結晶構造から、鉱物の分類について新しいシリーズを提案。さらなる未知鉱物の発見の手がかりを得る。
  • この発見は、地球科学的見地から、鉱床の生成当時の環境の推定・制約に役立ち、さらに新規材料物質開発への寄与が期待される。

【概要】

茨城県北部に存在する日立鉱山には約5.3億年前に生成された日本最古の鉱床があります(Nozaki et al. 2014)。日立鉱山不動滝鉱床中の鉱石を精査した結果、新鉱物を発見し、これを「日立鉱」と命名しました。日立鉱は極微小で、重元素を含むため、結晶構造の決定が困難でしたが、放射光(注1)を用いることで構造解析に成功しました。このような新発見と、新たな鉱物結晶学的考察を行った研究成果は、鉱物学分野で最も権威ある英国の学術雑誌「Mineralogical Magazine」に掲載されました(2019年7月6日受理)。

【用語解説】

(注1)放射光
高エネルギーの電子など荷電粒子が磁場の中で、ローレンツ力などによって曲げられるときに、放射される電磁波を放射光と呼ぶ。赤外線からX線にかけての幅広い波長の光を含む。本研究では、このうちX線の波長領域の電磁波を使用している。放射光施設では、実験室に比べて圧倒的に強力なX線を利用することができ、最先端の研究活動に利用されている。「はやぶさ」により持ち帰られた岩石片も高エネルギー加速器研究機構内のフォトンファクトリーで詳しく調べられた。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
国立大学法人東北大学大学院理学研究科地学専攻
准教授 栗林 貴弘(くりばやし たかひろ)
電話:022-795-6650
E-mail:t-kuri*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

国立大学法人東北大学総合学術博物館
准教授 長瀬 敏郎(ながせ としろう)
電話:022-795-6652
E-mail:nagase*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<取材に関すること>
国立大学法人東北大学大学院理学研究科 広報・アウトリーチ支援室
電話:022−795−6708
E-mail: sci-pr@mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ