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人の体温環境でDNA信号を5000倍以上に増やす人工細胞を構築 〜人間の思い通りに動く「分子システム」の実現に一歩前進〜

【発表のポイント】

  • 37℃という人の体温と同等の温度環境で、DNAを合成し5000倍以上に増やすことができる人工細胞の構築に成功しました。
  • DNAを増やす反応の開始を、光を使って人間が制御することもできます。
  • 生命システムの再構成や分子ロボットの開発に貢献するものと期待されます。

【概要】

東北大学大学院工学研究科 野村 M. 慎一郎 准教授、同大学院生 佐藤佑介氏(研究当時,現:東京工業大学 情報理工学院 日本学術振興会特別研究員(SPD))らの研究グループは、東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 小宮健 助教らと共同で、体温と同等の温度(37℃)で人が設計したDNAを5000倍以上に増やすことのできる人工細胞を構築しました。

今回構築した人工細胞は、外からの刺激や標的となるDNAに応じて、DNAを増やすことのできる「分子回路」が組み込まれています。そして、この分子回路は37℃で適切に動作するよう設計されており、体内と同等の温度環境でDNAを増やすことができます。将来的には、微量の標的分子を検出し、がんを診断・治療したり細胞の世話をしたりする人工細胞や分子ロボット開発のための要素技術としての発展が期待できます。

これらの研究成果は英国王立化学協会刊行の国際学術雑誌「Chemical Communications」にオンライン版で先行公開され、2019年8月11日(日)に発行される63号の裏表紙(The outside back cover,図1)に掲載されました。

図1: DNAを増やす人工細胞のイメージ

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究内容に関して)
東北大学大学院工学研究科 准教授 野村 M. 慎一郎
TEL: 022-795-6910
E-mail: nomura*molbot.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関して)
東北大学工学研究科情報広報室 担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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