本文へ
ここから本文です

"刺す水"の正体はクラゲの"粘液爆弾"だった! サカサクラゲの浮遊性の刺構造を発見

【発表のポイント】

  • 熱帯・亜熱帯の浅海でシュノーケリングを楽しむ人たちの間では、肌に原因不明の痛みを感じる"刺す水(stinging water)"という現象が知られていたが、その原因は不明だった。
  • その原因が、無害と思われていたサカサクラゲが放出する、毒針を含む粘液であることが分かった。
  • これは、サカサクラゲの摂食戦略と関係していると見られ、これまで知られていなかったまったく新しい生存戦略である。
  • サカサクラゲが生息する熱帯・亜熱帯の浅い海で泳ぐ人には、肌を露出しないなど、安全な遊泳への注意喚起をする根拠として活用できる発見である。

【概要】

熱帯・亜熱帯の浅海で泳いだ際に肌に感じる原因不明の痛み、"刺す水"の正体が判明しました。東北大学農学研究科のエイムズ シェリル准教授(スミソニアン国立自然史博物館リサーチ・アソシエイトを兼任)の国際的研究チームは、これまで無害と思われていたサカサクラゲが毒針を含む粘液を放出しており、それが"刺す水"の原因であることをつきとめました。

熱帯・亜熱帯の浅海で泳ぐと肌に原因不明の痛みを感じることが長らく知られており、研究者はそれを"刺す水"と呼んでいました。今回、無害と思われていたサカサクラゲの生態を調査する中で、毒針を含む粘液を放出していることが分かり、これが"刺す水"の正体であることをつきとめたものです。

この成果によって、クラゲの仲間の生存戦略に関する新たな学術的知見が得られたとともに、サカサクラゲが生息する熱帯・亜熱帯の浅い海では、肌を露出しない、サカサクラゲに不用意に近寄らないなど、安全な遊泳方法の知見も得ることができました。

本成果は、英国の権威ある学術雑誌NatureのCommunications Biology誌に2月13日に掲載されました。

図1:水槽中のサカサクラゲ©国立ボルチモア水族館

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 大学院農学研究科
グローバル農学教育ユニット
准教授 Cheryl Lewis Ames(エイムズ シェリル)
電話:022-757-4178
E-mail:ames.cheryl.lynn.a1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 農学部・農学研究科 総務係
電話:022-757-4004
E-mail:agr-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ