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金属アレルギー予防・治療法の新たなターゲットを特定 新たなニッケル結合性免疫細胞の同定

【発表のポイント】

  • 身の回りの金属製品から溶け出した金属は、皮膚のかぶれなどの金属アレルギーを引き起こす。なかでもニッケルは最も重要な金属アレルギーの原因金属である。
  • その原因となる、ニッケルと強く結合する免疫細胞を同定した。
  • 「ニッケル結合性免疫細胞」を標的とする、金属アレルギーの新たな予防・治療法への応用が期待される。

【概要】

東北大学大学院歯学研究科口腔分子制御学分野の黒石智誠講師と菅原俊二教授らの研究グループは、ニッケルアレルギーの発症に関わるニッケル結合性細胞を同定しました。

身に着けている金属製品が水や体液に触れると、金属イオンが溶け出します。生体内に侵入した金属イオンは免疫システムに認識され、皮膚のかぶれなどの金属アレルギーを引き起こします。様々な金属の内、ニッケルは最も重要な金属アレルギーの原因金属とされています。

本研究では、様々な免疫細胞のニッケルイオン結合能を解析しました。その結果、皮膚所属リンパ節における特定の樹状細胞が強いニッケル結合能を持ち、ニッケルアレルギーを引き起こすことを明らかにしました。樹状細胞は生体内に侵入してきた異物(抗原)の情報をリンパ球に伝える、免疫システムの鍵となる細胞です。今後、金属アレルギーの新たな予防・治療法のターゲットとして、本研究で同定したニッケル結合性樹状細胞の応用が期待されます。

この研究成果は2020年3月19日に国際科学誌Scientific Reports誌に掲載されました。

図.皮膚所属リンパ節の遊走性樹状細胞はニッケル結合能が強く、ニッケルアレルギーを誘導する。これに対し、腸間膜リンパ節の遊走性樹状細胞はニッケル結合能が弱く、ニッケルアレルギーを誘導しない。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科 口腔分子制御学分野
講師 黒石 智誠(くろいし としのぶ)
電話:022-717-8321
E-mail:toshinobu.kuroishi.e1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
電話:022-717-8260
E-mail:den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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