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"かすみ"を食べて増殖する細菌に変身 たったひとつの遺伝子の高発現で細菌が極貧栄養条件下でも大増殖

【発表のポイント】

  • 通常、炭素源を添加しないと増殖しない細菌株が、たったひとつの遺伝子の高発現で炭素源を添加しなくても増殖するように「変身」することを発見。
  • その増殖には大気中のCO2が必須であり、新規CO2固定経路の存在が示唆される。
  • 将来的にCO2削減問題への貢献に繋がる可能性がある。

【概要】

環境に常在する従属栄養細菌は有機炭素源がないと増殖できないとされておりますが、極貧栄養条件下でも増殖する場合があるということは、多くの微生物学者が経験しています。東北大学大学院生命科学研究科の永田教授らのグループは、従属栄養細菌株が、たったひとつの遺伝子adhXを高発現するだけで、有機炭素源を添加しなくても増殖できるように「変身」する現象を発見しました。この成果は前例のない新規現象の発見であり、その増殖には大気中のCO2が必須であることから、新規CO2固定経路の存在も示唆されます。また、本現象は有用細菌の効率的利用(炭素源の添加が不要)や有害細菌の増殖抑制(食品・医療器具等の汚染防止)に応用可能であり、将来的にはCO2削減問題への貢献も期待されます。

本研究結果は、4月20日付でMicrobiology誌オンライン版に掲載されました。

本研究は、公益財団法人発酵研究所 (IFO) および文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行われました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
担当 永田裕二 (ながたゆうじ)
電話番号:022-217-6227
Eメール:aynaga*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号:022-217-6193
Eメール:lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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