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病院の事業継続計画(BCP)に必須の3要素を提唱 ~国内外の論文の傾向調査と東日本大震災の教訓を踏まえた提言~

【発表のポイント】

  • 病院の事業継続計画(BCP)に関する国内外の論文を調査し、傾向と論点を分析した。
  • 東北大学病院の、東日本大震災の教訓に基づいて策定されたBCPについても検証した。
  • 今回の調査、東日本大震災の教訓の双方を踏まえた上で、病院BCPには「業務の優先順位」「代替手段の確保」「資源管理」の3つの要素が必須であると提唱する。

【概要】

病院が社会基盤としての機能を常に果たすために、事業継続計画(BCP)の整備が求められています。東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)の佐々木宏之准教授、江川新一教授、東北大学病院の冨永悌二病院長らの研究グループは、国内外の病院のBCP論文に関する傾向を調査し、病院BCPに関する論文は2000年代に入ってから増加傾向にあること、また、扱われる災害の種類が多様である一方で、BCPの論点には共通の傾向も見られることを確認しました。

東北大学病院は、東日本大震災の教訓に基づいて独自にBCPを構築しましたが、「業務の優先順位」「代替方法の確保」「資源管理」という3つの要素を重視しています。この要素は、先行研究が示す、病院BCPに関する論点の傾向とも矛盾しません。

そこで、上記3要素を病院BCPの必須要素として提唱します。本研究は、今後、国内外の病院が新たにBCPを策定する際の重要な検討材料を提供するものです。

本研究成果は、2020年7月9日(日本時間)のThe Tohoku Journal of Experimental Medicine誌に掲載されました。

図. 病院BCP論文数の変化

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学災害科学国際研究所
准教授 佐々木 宏之、教授 江川 新一
TEL: 022-752-2058
E-mail:hsasa*surg.med.tohoku.ac.jp(佐々木)、egawas*surg.med.tohoku.ac.jp(江川)(*を@に置き換えてください)

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