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食べ物を飲み込む運動を非接触で診断測定する装置を発明 高齢者医療介護施設における「見守り」システム、機能性食品開発への応用も期待

【発表のポイント】

  • 高齢者介護の現場などでは肺炎の原因となる誤嚥注1を防ぐことが重要であるが、嚥下機能注2を定量的に診断するためにはレントゲン造影など大きな時間と手間がかかっていた。
  • 嚥下・蠕動機能を非接触で定量診断できる装置を発明、令和2年、特許を取得した(特許6692110)。
  • 将来的には在宅医療介護現場のための診断システムへの応用の他、高齢者の医療介護施設における「見守り」システム、機能性食品開発への応用も期待される。

【概要】

高齢者介護の現場などでは、誤嚥が原因となる誤嚥性肺炎が問題となっています。嚥下機能を定量的に、正確に診断するためにはレントゲンや造影剤が必要であり、現実の臨床現場では大きな手間が必要でした。東北大学加齢医学研究所・大学院医工学研究科・医学系研究科の山家智之教授、白石泰之准教授らのグループは、食べ物を飲み込む運動を非接触で測定する装置を発明し、その特許を取得いたしました(特許第6692110号)。

今回の研究成果は、診断の一助、また医療介護施設における「見守り」システムへの応用も期待されます。また、Covid-19等新興感染症を含む多くの呼吸器感染では誤嚥性肺炎の合併症例も、報告されており、将来的に新興感染症への応用も期待されます。また加齢医学研究所は、カプサイシンの持つ「嚥下反射促進機能」も発見しており「誤嚥を予防する機能性食品」の開発も期待されます。

【用語解説】

注1. 誤嚥:
 食物や飲料水は、口腔から、咽頭と食道を経て、胃へ送り込まれます。食物などが、なんらかの理由で、誤って、喉頭と気管に入ってしまう状態を誤嚥(ごえん)と呼びます。誤嚥は肺炎の原因ともなります。誤嚥は、さまざまな病気が原因となって生じます。飲み込みの反射(嚥下反射)が障害されていたり、飲み込む力が弱い、あるいは食道を通過できない、といった状態が、誤嚥を引き起こします。
 高齢者が「誤嚥」を引き起こすと、「誤嚥性肺炎」の原因になります。

注2. 嚥下:
 食べる時には、まず口の中でかみ砕いてすりつぶし飲み込みやすい形にする「咀嚼」をします。次に物を飲み込む動作である「嚥下」をします。嚥下にはプロセスがあり、第一段階で、舌などの動きで食物を口の奥へと送りこみ、第二段階で、のどに入ってきた食物をのみこみます。第三段階は食道に食物が入ってからで、嚥下の食道期とよびます。物をうまく飲み込めない状態を嚥下障害といいます。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医工学研究科人工臓器医工学分野
東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学分野
教授 山家智之(やんべ ともゆき)
准教授 白石泰之(しらいし やすゆき)
助教 山田昭博(やまだ あきひろ)
TEL:022-717-8517
E-mail:tomoyuki.yambe.a4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学加齢医学研究所広報情報室
TEL:022-717-8496
E-mail: ida-pr-office*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院医工学研究科 広報担当
E-mail: bme-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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