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速い分子だと炭素の網を通り抜ける!?酸素がグラフェンをすり抜ける現象を発見

【発表のポイント】

  • 酸素分子がグラフェンを壊すことなく透過することを世界で初めて発見した
  • グラフェンの酸素透過は大気中に存在する時速数千kmの高速分子に起因している
  • 本成果は、酸素による食品劣化や金属のサビを防ぐための保護膜開発につながる

【概要】

厚さが原子1層しかない炭素の網であるグラフェンは、酸素を通さないとされていました。しかし、高速の酸素分子を照射すると酸素分子がグラフェンを壊すことなく透過する現象を発見しました。分子の「速度」によってグラフェンを透過できたりできなかったりする現象は世界で初めての発見で、今後の研究により、さらに大きな分子の「通りぬけ」の発見も期待されます。グラフェンを通りぬける高速の酸素分子は私たちの身の回りにも存在しており、通りぬけを防ぐことで食品の劣化や金属のサビを防ぐ保護膜の開発につながります。

本成果は東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター(兼多元物質科学研究所)の小川修一助教らの研究グループと産業技術総合研究所、日本原子力研究開発機構、ロスアラモス国立研究所(米国)との共同研究で行われ、10月26日に「The Journal of Physical Chemistry Letters」にオンライン掲載され、11月5日に発行される同雑誌のカバーアートにも採択されます。

本研究の成果の概略図

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター
多元物質科学研究所(兼務)
助教 小川 修一(おがわ しゅういち)
電話:022-217-5367
E-mail:ogasyu*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所広報情報室
電話:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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