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磁気ノズルを用いた無電極プラズマ推進機の開発 ~宇宙プラズマ推進機の開発・性能向上につながる大きな知見~

【発表のポイント】

  • 磁気ノズル中で膨張するプラズマの電子冷却過程を熱力学のアナロジーで説明することに成功。
  • 電子の熱エネルギーが磁気ノズルの機械エネルギーへと変換されることを明らかにした。
  • プラズマの拡散過程により変換効率が変化することを明らかにした。
  • 磁気ノズルを用いた無電極プラズマ推進機の性能向上への大きな知見が得られた。

【概要】

宇宙空間における大電力推進機の方式として、磁気ノズルを用いた無電極プラズマ推進機の実現が期待されています。

東北大学 大学院工学研究科 高橋和貴准教授、オーストラリア国立大学 Christine Charles 教授、Rod W Boswell教授の国際共同研究グループは、発散する磁場構造(磁気ノズル)中で膨張するプラズマから電場を排除することにより、電子が磁気ノズルのみと相互作用する系を構築し、磁気ノズル中の電子の熱力学的特性を詳細に計測することに成功しました。 その結果、電子の内部エネルギーが磁気ノズル構造の機械エネルギーへと変換されることを明らかにし、電子の磁力線を横切る拡散過程がその変換効率に大きく影響することを示しました。 上記の成果は、同研究グループが開発を進めている宇宙推進エンジン、無電極プラズマ推進機の高性能化に大きく寄与することが期待されます。

本研究成果は、2020年10月16日にPhysical Review Letters (American Physical Society)に掲載されました。

(左図) 電子ビーム型プラズマ実験装置。 (右図) 無電極プラズマ推進機の作動の様子。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学 大学院工学研究科 電気エネルギーシステム専攻
准教授 高橋 和貴
TEL:022-795-7064
E-mail:kazunori*ecei.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関して>
東北大学 大学院工学研究科 情報広報室 担当 沼澤 みどり
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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