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菌類は手持ちの資源量を把握している 微生物の認知能力

【発表のポイント】

  • 菌類の菌糸体注1)が、現在定着している木片のサイズや分解の程度に応じて新しい食物(木片)の探索行動を開始することがわかった。
  • 元の木片の重量減少量ではなく、重量減少率に応じて菌糸を伸ばすことから、元の木片の資源が何割消費されたかを把握していると考えられる。
  • 脳も神経系も持たないカビ状の菌類の菌糸体がもつ認知能力を理解することは、生物の認知能力の普遍性を理解する上で重要である。

【概要】

枯死木に定着した菌類の菌糸体は、枯死木を分解すると新たな枯死木を探索するために土壌中に菌糸を伸ばし始めます。しかし、このような菌糸体の行動が、「分解した量だけ伸びる」だけなのか「資源の減少量に応じて探索行動を起こす」のかはわかっていませんでした。

東北大学大学院農学研究科の深澤遊助教の研究グループは、木片に定着した菌類の菌糸体が現在定着している木片のサイズや分解の程度に応じて新しい餌(木片)の探索行動を開始することから、菌類が手持ちの資源量を把握しており、それに応じて行動している可能性があることを発見しました。

本研究成果は2020年12月14日(月)に国際誌「Scientific Reports」で公開されました。

【用語解説】

注1)菌糸体
いわゆる「カビ」状をした、菌類の本体。多数の菌糸からなる。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

深澤 遊(フカサワ ユウ)
東北大学大学院農学研究科 助教 
電話:0229-84-7397
E-mail:yu.fukasawa.d3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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