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生物の性システムの解明へ重要な発見 ヤマコウバシがたった1本の雌株から生じた 巨大なクローンであることを発見!

【本学研究者情報】

〇本学代表者所属・職・氏名:農学研究科 生物共生科学分野・准教授(現教授)・陶山 佳久
研究室ウェブサイト

【本研究のポイント】

  • ヤマコウバシ※1がたった1本の雌株から生じた巨大なクローンであることを解明。
  • 生物の世界に性というシステムが広く存在する理由の解明につながる可能性を示唆。

【概要】

大阪市立大学大学院 理学研究科 生物地球系専攻准教授 名波 哲(ななみ さとし)・大阪府立大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻講師 徳本 勇人(とくもと はやと)・東北大学大学院 農学研究科 資源生物科学専攻准教授 陶山 佳久(すやま よしひさ)らの研究グループは、日本の山野に生える4種の雌雄異株樹種、ヤマコウバシ、アブラチャン、クロモジ、ダンコウバイのDNA情報から、これらの樹種が雌雄異株性の不利をいかに克服して集団を維持しているのか、その仕組みを探りました。その結果、アブラチャン、クロモジ、ダンコウバイの3種は、自家受精や単為生殖を行わず、必ず雌雄の交配によって近交弱勢を避けていることが示されたものの、ヤマコウバシは雌株が単独で種子を生産することで雌雄異株性の不利を克服し、さらに日本のヤマコウバシがたった1本の雌株から生じた巨大なクローンであることが分かりました。この巨大クローンの分布の範囲は距離にして1000 kmを超える、世界的にも極めて珍しい大規模なものです。

本研究成果は、植物生態学分野での国際的な学術雑誌である『Forests』に2021年2月16日付けでオンライン掲載されました。

冬枯れの林の中のヤマコウバシ(左)とヤマコウバシの果実(右)(いずれも名波准教授撮影)

【用語解説】

※1ヤマコウバシ ... 東北から九州の森林に分布する落葉樹

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究内容に関すること)
東北大学大学院農学研究科 生物共生科学分野
陶山 佳久 教授
TEL:0229-84-7359
Email:yoshihisa.suyama.e2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院農学研究科 総務係 
TEL:022-757-4004
FAX:022-757-4020
Email:agr-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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