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新型コロナウイルス感染症に伴う肺傷害を改善する治療薬開発 -肺炎の重症化を防ぎ、後遺症の軽減を目指す-

【本学研究者情報】

〇本学代表者所属・職・氏名:大学院医学系研究科血液免疫病学分野・教授・張替 秀郎
研究室ウェブサイト
大学院医学系研究科分子病態治療学分野・教授・宮田 敏男
研究室ウェブサイト

【研究のポイント】

  • 血栓や炎症・線維化を改善する作用を有するPAI-1阻害薬TM5614は新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎の重症化を防ぐ治療薬として有効である可能性
  • 前期第II相医師主導治験が終了し、国内20医療機関での治験体制による後期第II相医師主導治験を実施
  • 経口薬のため、外来で処方し自宅やホテルで療養中の患者にも投与でき、患者及び医療現場の負担軽減が期待される
  • 国内のみならず、米国やトルコの大学医療機関とも連携して開発

【研究概要】

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るう中で、ワクチン接種による予防と並行して望まれているのが、感染患者の肺傷害を治療する薬剤の開発です。新型コロナウイルス感染症患者の約80%は軽症で経過しますが、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者などは肺炎が重症化し、肺傷害や呼吸不全に至ることがあります。隔離病床が不足していることから、軽症例の自宅療養や宿泊療養の措置がとられていますが、発病当初は軽症であっても、一部、急速に重症化する患者の存在が明らかとなっているほか、血栓症(合併症)や肺後遺症への対応などの問題も出てきました。現在、レムデシビル、ステロイドなどが治療薬として使用されていますが、まだ不充分であり、肺炎の重症化を防ぐ治療薬の開発が喫緊の課題となっています。

東北大学大学院医学系研究科血液・免疫学分野の張替秀郎(はりがえ ひでお)教授を代表者とするグループは、血栓を防ぎ、傷害から肺の細胞を保護するという観点から新型コロナウイルス感染症に伴う肺傷害に対するPAI-1阻害薬TM5614の前期第Ⅱ相医師主導治験を本学、京都大学、東京医科歯科大学、東海大学、神戸市立医療センター中央市民病院の計7医療機関で実施し2021年3月に終了しました。2021年6月から、20医療機関での治験体制による「新型コロナウイルス肺炎患者に対するTM5614の有効性及び安全性を検討する後期第II相医師主導治験」を開始します。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
電話番号: 022-717-8032
FAX 番号: 022-717-8187
Eメール: pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(治験に関すること)
東北大学病院臨床研究推進センター(CRIETO)センター長
医学系研究科血液免疫病学分野
教授 張替 秀郎(はりがえ ひでお)
電話番号: 022-717-7162
Eメール: harigae*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科分子病態治療学分野
教授 宮田 敏男(みやた としお)
電話番号: 022-717-8157
Eメール: souyakulab*gmail.com(*を@に置き換えてください)

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