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被災した思春期の子どもに対する心理的支援の重要性 東日本大震災後の高校生に対する心理的支援を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の現在に活かす

【本学研究者情報】

〇病院肢体不自由リハビリテーション学分野 助教 奥山純子
研究科ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 東日本大震災発生より10年が経過した現在においても、自然災害の被災のようなストレス下にある思春期の子どもに対し、心理的支援をどのようにして行うかは重要な課題となっています。
  • 震災後3年間に渡って実施された、スクールカウンセラーと高校教諭を主体にした心理的支援によって、高校生の抑うつ気分や心的外傷後ストレス反応注1が改善されました。
  • この東日本大震災における高校生の心理的支援は、現在多くの思春期の子どもが苦しむCOVID-19流行下の心理的不調の改善に、活かすことができると考えます。

【概要】

災害にあった思春期の子どもに対する心理的支援が重要なことは明らかです。しかし、一度に支援の対象になる人数が多いことから、具体的な支援方法が明らかにされていません。東北大学病院・肢体不自由リハビリテーション学分野 奧山純子助教、宮城県立精神医療センター 舩越俊一副院長、東北大学災害科学国際研究所 門廻充侍助教らと指定国立大災害科学世界トップレベル研究拠点のグループは、2011年の東日本大震災後に高校生に対して行われた心理的介入を紹介し、スクールカウンセラーや高校教諭などの学校の持つ資源を活用することで、高校生の心理状態の改善が図られることを明らかにしました。

本研究は、東日本大震災のようなストレスが大きくかかった児童思春期のデータを、現在のCOVID-19パンデミック下の児童思春期の心理状態改善に役立てることができると期待されます。

本研究成果は、2021年9月15日にJournal of Disaster Research誌に掲載されました。

図1.東日本大震災後、高校生に対して行われた心理的支援
東日本大震災後1年目、2年目、3年目に宮城県南の高校生2,000名に対して行われた。

【用語解説】

注1. 心的外傷後ストレス反応:極度のストレスを体験した後に生じる心身の不調

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学病院 肢体不自由リハビリテーション学分野
助教 奧山 純子
電話番号: 022-717-7338
Eメール: junko.okuyama@ med.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
東北大学病院広報室
電話番号: 022-717-7149
FAX番号: 022-717-8931
Eメール: press@pr.med.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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