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泳ぐ微生物が海まで流されない理由 ―SDGsに欠かせない小さな生物たちの振る舞いを解明―

【本学研究者情報】

〇大学院医工学研究科 教授 石川拓司
研究室ウェブサイト

【概要】

京都大学理学研究科 市川正敏講師は、バーゼル大学Biozentrum 大村拓也博士、北海道大学電子科学研究所 西上幸範助教、東北大学大学院医工学研究科 石川拓司教授、基礎生物学研究所 野中茂紀准教授、谷口篤史博士と共同で、単細胞の繊毛虫テトラヒメナが水中の構造物付近で走流性を示す機構を明らかにしました。走流性とは水の流れに逆らって遡上する性質の事を指します。流れ場でのテトラヒメナの動きを顕微鏡観察することに加え、実験結果に基づく流体シミュレーションを行いました。その結果、構造物付近で流れに逆らう行動は「推進力を生み出す繊毛の機械的な刺激応答特性」と「細胞形状」という単純な2つの要素だけで説明できることが明らかになりました。この結果から、遊泳性の繊毛虫が水の流れに身を任せず、自身の生息に適した環境に留まる生存のための行動は、テトラヒメナが意識せずに細胞の性質として自動的に行われているということが示唆されます。本成果は2021年10月20日に米国の国際学術誌「Science Advances」にオンライン掲載されました。

図1.テトラヒメナの顕微鏡写真(ガラス面を識別できるように画像加工)。本研究の模式図(右)。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医工学研究科
生体流体力学分野
教授 石川拓司(いしかわ たくじ)
Eメール:t.ishikawa*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学大学院医工学研究科
Eメール:bme-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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