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ラニーニャの冬は寒くない? ~2年間続くラニーニャから迫る気候予測の新視点~

【本学研究者情報】

大学院理学研究科 地球物理学専攻
大学院生 西平 楽(にしひら がく)
研究室ウェブサイト

〇大学院理学研究科 地球物理学専攻
准教授 杉本 周作(すぎもと しゅうさく)
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • ラニーニャ現象(注1は複数年続くことがあり、1年目と2年目の冬で日本の気候は大きく変わることを発見。
  • ラニーニャ現象の1年目では日本は寒冬、2年目では平年並みの気候となる。また、北米大陸では2年目ほど寒くなることを発見。
  • 1年目と2年目の気候の違いは、熱帯の海水温に起因することを指摘。

【概要】

エルニーニョ/ラニーニャ現象に代表される熱帯域の大気海洋変動は、地球全体の気候に影響を及ぼすことが知られています。ラニーニャ現象に関してはエルニーニョ現象とは異なり、複数年に渡って継続することがわかってきました。

東北大学大学院理学研究科の西平楽大学院生と杉本周作准教授は、観測データと気候シミュレーション実験を駆使し、ラニーニャ現象時における冬季の気候を解析しました。その結果、ラニーニャ現象の1年目の冬では、日本は寒冷化し、2年目では平年並みになることを明らかにしました。しかもこの違いは、熱帯西部太平洋の海面水温に起因することを指摘しました。

本研究の成果は、熱帯西部域の海洋が冬の日本の気候に影響を与えることを表しています。また、従来言われていた「ラニーニャ現象時に日本は寒冬になる」という描像とは異なる発見であり、今後の気候予測の新たな指針を示したといえます。

なお本研究の成果は、Geophysical Research Lettersオンライン版にて2022年4月1日に早期公開されました。

ラニーニャ現象の1年目と2年目の気候パターンの模式図 ©Gaku NISHIHIRA

【用語解説】

(注1)ラニーニャ現象 熱帯東太平洋で海面水温が平年より低下し、その状態が1年程度持続する現象。逆に、海面水温が高い状態が続く現象がエルニーニョ現象で、それぞれ数年おきに発生することが知られています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻
大学院生 西平 楽(にしひら がく)
電話 022-795-5735
E-mail gaku.nishihira.p6*dc.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻
准教授 杉本 周作(すぎもと しゅうさく)
電話 022-795-6529
E-mail shusaku.sugimoto.d7*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学 大学院理学研究科
広報・アウトリーチ支援室
電話 022-795-6708
E-mail sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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