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細胞1個の熱伝導率や比熱を精密に測定できる新技術を開発 ─ 細胞機能の基本原理解明や細胞レベルで生じる難病治療法研究の進展に期待 ─

【本学研究者情報】

〇大学院工学研究科
准教授 猪股 直生
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 高い温度分解能と速い応答を両立したマイクロ温度センサを用いた細胞温度計測デバイスを開発し、細胞の熱物性を評価。
  • 細胞の熱伝導率と比熱が周囲温度および細胞内を局所加熱する周波数に依存することを発見。単一細胞レベルで比熱を評価したのは世界初。
  • 細胞での周期的自発的発熱が人工的に再現可能であることを証明。
  • いまだ謎の多い細胞内熱現象の解明に期待。

【概要】

熱は生体にとって欠かすことのできないエネルギー源であり、その産生や制御の根本は細胞が担っています。細胞は生体を構成する最小単位であり、細胞の熱現象を理解することは、生体の原理解明に直結します。

東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻の猪股直生准教授らは、細胞内の微小で速い温度変化を逃さず観測できるマイクロ温度センサシステムを開発し、単一細胞における熱伝導率と比熱を定量的に評価することに成功しました。細胞内を局所に加熱する周波数を変えて熱物性を測定したところ、細胞にとって適温である37℃では周波数に依存する一方、25℃では周波数に関わらず純水と同程度の値で一定となることを明らかにしました。

 本成果は、2023年3月7日に英国王立化学会が発行するマイクロおよびナノスケールデバイスと応用に関する専門誌Lab on a Chipで公開されました。

作製したマイクロサーミスタ上に培養された細胞(左)と細胞内を局所的に加熱する実験のイメージ図(右)

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科
准教授 猪股 直生
TEL: 022-795-4894
E-mail: inomata.n*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 大学院工学研究科
情報広報室
担当 沼澤みどり
TEL: 022-795-5898
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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