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生態系を利用した全く新しいAI ―高い生物多様性は高い計算能力に繋がる?―

【本学研究者情報】

〇大学院農学研究科附属
複合生態フィールド教育研究センター
助教 福田 康弘
研究室ウェブサイト

【概要】

近年、様々な分野でニューラルネットワークを用いたデータ解析法−いわゆる人工知能(AI)−が盛んに開発・利用されています。これまでに様々なニューラルネットワークが提案され、その計算能力が評価・利用されてきました。しかし、生態系に自然に存在するネットワーク(例えば、食う−食われるといった種間関係)が計算能力を持っているのか、またそれらを我々人間が利用できるのか、については全く研究されてきませんでした。今回、京都大学白眉センター 潮雅之 特定准教授(研究当時、現:香港科技大学助理教授)、B.Creation () 渡邉一史 CEO、東北大学 福田康弘 助教、東京大学 徳留勇志 学術支援専門職員(研究当時)、中嶋浩平 准教授 のグループは、生態系シミュレーションと微生物培養系を用いた実験から、生態系に存在するネットワークが計算能力(情報処理能力)を持ち、我々がその能力を利用しうる、という証拠を見つけました。

本研究で示された「生態系の計算能力」は、これまでに注目されなかった計算資源であり、発展著しいAI技術に新たな方向性を与えるものです。また、高い生物多様性と高い計算能力に関連があることも示唆されており、これまで知られていなかった生物多様性の新たな価値に光を当てるものでもあります。

 本成果は20234190001分(現地時間)に国際学術誌「Royal Society Open Science」にオンライン掲載されました。

(a) 研究の概念図。通常のニューラルネットワークを実際の微生物個体群に置き換えて計算を実装。(b) 計算を行ったチャンバー。底面が透明になっており微生物の反応を観察可能。(c) チャンバー内のテトラヒメナの顕微鏡写真。温度・栄養条件に応じて微生物の反応が変わり、この「多様な反応」が計算資源となる。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院農学研究科附属
複合生態フィールド教育研究センター
助教 福田 康弘
TEL:0229-84-7387
E-mail: yasuhiro.fukuda.b7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院農学研究科
附属複合生態フィールド教育研究センター総務係
TEL: 0229-84-7312
E-mail:far-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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