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発酵米糠は炎症を抑制し破骨細胞形成および病的骨吸収を制御する 〜食による骨破壊制御に期待〜

【本学研究者情報】

〇大学院歯学研究科 准教授 北浦英樹
研究室ウェブサイト

〇大学院農学研究科 教授 白川仁

【発表のポイント】

  • 発酵米糠の摂食により炎症を促進するサイトカインであるTNF-α(注1)の発現を抑制することをマウスを用いた実験で発見しました。
  • 発酵米糠の摂食により炎症による破骨細胞形成および骨吸収を抑制することを発見しました。
  • 発酵米糠抽出物は、破骨細胞形成を抑制することを発見しました。
  • 発酵米糠抽出物は、炎症刺激によるマクロファージからのTNF-αの発現を抑制することを発見しました。
  • 食による病的な骨破壊の抑制に役立てることが期待できます

【概要】

近年、急激な高齢化に伴い基礎疾患をもつ患者が増加しており、骨粗鬆症など様々な骨代謝疾患をもつ患者が増加しています。さらに関節リウマチおよび歯科領域では歯周病、易感染宿主が増加し、様々な感染症等では、病的な骨吸収(骨の破壊)が生じて機能障害を引き起こします。このような機能障害を引き起こす病的な骨吸収を抑えるために様々な薬剤の投与が行われていますが、より簡便におこなえる食物摂取による抑制や予防が望まれています。

東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野の野口隆弘助教、北浦英樹准教授および溝口到教授の研究グループ、東北大学大学院農学研究科栄養学分野の白川仁教授の研究グループは、世界初の学際共創科学「食学(Shoku-gaku)」の活動拠点である「革新的食学拠点」での共同研究を行い、様々な生物学的活性をもつとの報告がある発酵米糠の摂取が病的な破骨細胞形成および骨吸収を抑制することをマウスを用いて見出し、その仕組みを初めて明らかにしました。

これらの成果は、食によって病的な骨破壊抑制あるいは予防に役立つと期待できます。

この研究成果は2023年7月6日にNutrientsに掲載されました。

図1. 発酵米糠食は炎症による破骨細胞形成および骨吸収を抑制

【用語解説】

注1. TNF-α: tumor necrosis factor-α、腫瘍壊死因子 炎症を誘発するサイトカインの一つ。骨を吸収する破骨細胞形成を誘導することも報告されています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科 
顎口腔矯正学分野
准教授 北浦英樹
TEL: 022-717-8374
Email: hideki.kitaura.b4*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

東北大学大学院農学研究科
栄養学分野
教授 白川仁
TEL: 022-757-4402
Email: hitoshi.shirakawa.b7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
電話: 022-717-8260
Email: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学大学院農学研究科総務係
電話:022-757-4003
Email: agr-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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