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生き物の分布推定ツール「オープンSDM」の公開 ―誰もが生物種分布モデルを学び使うことを支援するツール―

【本学研究者情報】

〇生命科学研究科 准教授 Jamie M. Kass
研究室ウェブサイト

【概要】

生物多様性の保全や気候変動、事業による影響評価の基礎となるのが、生き物がどこに生育しているのかという分布情報です。しかし、生き物の分布調査は大きな労力がかかり、網羅的に把握することは困難です。限られた実際の分布情報から広域的な分布を推定したり、将来の分布変化を予測するために、近年では生物種分布モデル(Species Distribution Models、以下「SDM」という。)が生態学の分野で多用されています。今後、気候変動適応策の立案、自然関連財務情報の開示などのために、地方自治体や事業者がSDMによる解析を必要とする状況が想定されますが、高度な専門知識が必要であること、また、既存のツールや学習のための素材はほとんどが英語であることが人材育成の障壁となっています。

国立環境研究所の気候変動適応研究プログラムと東北大学の研究チームは、SDM解析の手法を学習しながら、実際に解析することができる日本語ツール 「オープンSDM」を開発しました(図1)。オープンSDMは初心者から専門家まで幅広いユーザーを想定しており、地域スケールでの解析に適した高解像度のデータを使用することも可能です。本ツールの活用により、多様な主体による生物多様性保全のための評価や、気候変動適応策の立案が促進されると期待されます。

図1 「オープンSDM」の操作画面。データベースから生き物の分布情報や環境データをダウンロードし、SDMを構築して、分布予測やモデルの精度評価を行うところまで一貫して学習・操作できる。操作画面のほか、エラーメッセージやガイダンスなども日本語化されている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
准教授 Jamie M. Kass
TEL: 022-795-6690
Email: kass*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学生命科学研究科広報室
高橋 さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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