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雌雄判別DNAマーカーによって紫アスパラガスの由来が判明 品種'Pacific Purple'は近縁野生種との種間交雑によって誕生

【本学研究者情報】

〇生命科学研究科 准教授 菅野明
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 紫アスパラガス品種'Pacific Purple'には雌雄判別DNAマーカー(注1)の適用性が異なる2つの系統があります。
  • 雌雄性を決定する遺伝子の配列を比較解析した結果、'Pacific Purple'の2系統はそれぞれアスパラガスと近縁野生種に近い配列を持っていました。
  • 紫アスパラガスの祖先は、近縁野生種との種間交雑種である可能性が示唆されました。

【概要】

アスパラガスは雌雄異株植物で、XY 型の性決定様式で雌雄が決まっています。すでに複数の雌雄判別DNAマーカーが開発され、その育種に利用されてきました。アスパラガスにはグリーン品種の他に紫アスパラガス品種が知られています。これまでの研究から、紫アスパラガス品種'Pacific Purple'には雌雄判別DNAマーカーの適用性が異なる2つの系統(PP-mおよびPP-m*)があることが判明していました(参考文献1)。

東北大学大学院生命科学研究科の菅野明准教授の研究グループは、雌雄判別DNAマーカー上の雌雄性決定遺伝子の配列について、'Pacific Purple'の2系統、アスパラガスおよび近縁野生種で比較解析し、紫アスパラガスの祖先品種はアスパラガスと近縁野生種の種間雑種であることを明らかにしました。

本研究成果は、均一性の低い紫アスパラガス品種で利用可能な雌雄判別DNAマーカーの選択に利用できるとともに、紫アスパラガスの形質に野生種の遺伝子がどのように関わっているかの解明への利用が期待されます。

本成果は、11月 16 日付で植物に関する分野の専門誌Frontier in Plant Science電子版に掲載されました。

図1. グリーンアスパラガスと紫アスパラガス

【用語解説】

注1. 雌雄判別DNAマーカー:アスパラガスのように個体によって雌雄が分かれている植物において、雌雄それぞれの性に特異的な塩基配列を用い、PCR法などによって雌雄を識別する方法のことを指します。このマーカーにより、幼苗の段階でDNA分析をすることにより、その個体の雌雄を判別することができます。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
准教授 菅野 明
TEL:022-217-5725
Email: kanno*ige.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
高橋さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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