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インプラント周囲炎を引き起こすバイオフィルムの洗浄に成功~インプラントのμmオーダの凹凸部を流れ場による泡で洗浄~

発表のポイント

  • インプラント周囲炎の原因となるインプラントフィクスチャー表面に付着するバイオフィルムをキャビテーションという泡を使って洗浄できることを実証しました。
  • 超音波ではなく、ベンチュリ管を使ってキャビテーションを発生させるので、効率よくキャビテーションを発生できます。
  • インプラントフィクスチャーのネジ谷部やミクロな粗面の凹凸部といった歯ブラシなど清掃器具の到達困難な部位の洗浄を安全かつ効果的に行うことができます。

発表概要

 歯を失った場合の対応の一つとして、歯科用インプラントがありますが、口腔内環境や習慣により歯周病と類似した症状を示すインプラント周囲炎が大きな問題になっています。特に、生体適合性を高めるためにμmオーダの凹凸が付与されたインプラントフィクスチャーには、歯ブラシの毛先が届かずバイオフィルムを除去することが困難です。

 昭和大学歯学部歯周病学講座の山田純輝 助教、同 滝口尚 講師、同 山本松男 教授と東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻の祖山均 教授などからなる研究チームは、μmオーダの凹凸が付与されたインプラントのフィクスチャーに付着したバイオフィルムをキャビテーションという泡を使って洗浄できることを実証しました。

 本研究成果は、歯科用インプラントの専門誌「Implant Dentistry」誌に平成29年12月1日に掲載されました。なお、本研究の一部は、科学技術振興機構の助成を受けて行われました。

論文情報
雑誌名:「Implant Dentistry」(2017年12月1日掲載)
論文タイトル:Removal of Oral Biofilm on an Implant Fixture by a Cavitating Jet
著者:山田純輝、滝口尚、斉藤彰大、小田中響、祖山均、山本松男
DOI番号:doi:10.1097/ID.0000000000000681
アブストラクト URL:http://journals.lww.com/implantdent/Abstract/2017/12000/Removal_of_Oral_ Biofilm_on_an_Implant_Fixture_by_a.18.aspx外部サイトへ

図 キャビテーション噴流による洗浄後のフィクスチャー表面
キャビテーション噴流の噴射により、歯ブラシなどでは到達が困難であるフィクスチャーネジ谷部やミクロな粗面のバイオフィルムが除去されていることが確認できる。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻
教授 祖山 均(そやま ひとし)
TEL:022-795-6891
E-mail:soyam*mm.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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