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2017年5月26日 第140回サイエンスカフェ
進撃の微生物~ヒトと病原体の戦い~
講師:磯貝 惠美子 東北大学大学院農学研究科 教授

プロフィール

顔写真  東京下町生まれの江戸っ子です。北海道大学獣医学研究科を卒業後、北海道医療大学を経て、東北大学で教育・研究に励んでおります。細菌感染症、ベーチェット病という難病、癌などの研究をこれまで行ってきました。研究生活の中で多くの方と知り合い、ともに歩み、明日のために少しでも病気で苦しむ人の助けになることを目指してきました。戦友たちが研究生活から離れるとき、あるいは不条理な運命の中で命を落とすときに託された想いはつながっています。

開催情報

開催日:2017年5月26日(金)18:00~19:45 
会場 : せんだいメディアテーク

概要


 科学が進歩したと言われながら、現在も感染症は世界の中で死因のトップとなっています。毎年、流行を繰り返す感染症に加えて、新たな種類の病気も次々と報告されてきました。講演では人と病原体の戦いについて皆様とともに考えていきたいと思います。

Q&A

・天然痘に次いで今後人類が克服できそうな病原微生物の研究があれば教えて下さい。

 いろいろな感染症制圧に向けて、多くの研究が行われています。その中でほぼ制圧ができている感染症を2つ紹介します。
(1)ポリオ(急性灰白髄炎、小児麻痺)
ポリオはピコルナウイルス科エンテロウイルス属のポリオウイルスによって起こる感染症です。多くの場合不顕性感染に終わりますが、まれにポリオウイルスが脊髄に入り込み、手足の麻痺を引き起こすことが知られています。日本では1960年に大きな流行を経験しました。その後、ワクチンの導入により1980年の最後の1例以降、患者はでていません。WHOは1988年ポリオ感染を2000年までにゼロにしょうとする決議案を採択しました。しかし、紛争地域であるナイジェリア、アフガニスタン、パキスタンでは感染制圧が困難となっています。タリバンによるワクチン接種禁止なども足踏みの要素となっています。紛争の解決とワクチンによって根絶される感染症であり、病気がなくなりますようにという願いと世界が平和になりますようにという願いが重なっている感染症です。
(2)ギニア虫感染症
 ギニア虫は糸のような寄生虫であり、中間宿主はミジンコです。微生物ではありませんが感染症としてアフリカのいくつかの国で問題となっていました。飲み水を介して体内に入り、胃内でミジンコは死滅するものの幼虫はそこからでて体内を移動し、皮膚から出てきます。感染予防には、幼虫を体内に持つミジンコを取り込まないようにすることが最も重要であり、安全な飲料水確保のためのプロジェクトが行われてきました。WHOは2017年5月19日、アフリカなどの熱帯地域に蔓延する感染症のうち、ギニア虫感染症をほぼ撲滅したとし、さらにアフリカ睡眠病なども感染者が激減したと発表しております。

・ノロウィルスにエタノールが効かないということは、エタノール以外で効果のある常備薬はありますか。

 家庭でできる感染予防のひとつは手洗いです。手洗いは手指に付着したノロウイルスを減らす効果的な方法です。消毒薬としては次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)に効果がありますので、おう吐物などの汚物の処理に適しています(ただし、人体には有毒ですので手指などの消毒には使わないでください)。また、金属腐食性がありますので、ステンレス製のものに使うことも避けてください。これらは熱湯消毒を行うとよいでしょう。

・人類未踏の地の原生林には、未だ発見されていないウィルスや細菌、カビ等が沢山あるのでしょうか。

 おそらくあると思います。また、微生物も生き残りをかけて変化していきます。新興感染症としては、MERS、SARS、エイズや狂牛病(BSE)、腸管出血性大腸菌(O157)感染症、鳥インフルエンザなど多くの病気が見つかってきました。エイズはもともとアフリカの限られた地域の病気でしたが、交通網の発達であっという間に世界に広がりました。人類未踏の土地の開発、世界的な交通網の発達、食料生産法の変化、生活様式の変化、地球の温暖化、バイオテロリズムなど新たな感染症が脅威となるリスクは存在します。

以前は感染症には抗体ができると言われていたが、感染源、病原菌の拡がりで抗体はなくなったのでしょうか 。

 抗体は細菌やウイルスと戦い、身体を守ってくれるタンパク質(免疫グロブリン)です。特異的免疫応答と免疫記憶がポイントで、抗体によって一度感染したらその後は感染しないとか、罹患しても軽くすむことが知られています。しかし、病原微生物の中には、細胞の中に隠れたり、抗体を分解したり、変異して抗体による攻撃を回避したりする能力を持つものがおります。たとえば、エイズウイルスであるHIVは非常に変異しやすく、RNAからDNAに変換したゲノムが宿主細胞の中に組み込まれるなどの技を持っています。そのため、エイズワクチン開発は困難であるといわれています。こうした感染症では抗体の検出は診断に利用されます。

当日の様子

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