ライフサイエンス
2019年7月12日 第166回サイエンスカフェ
“毒”は体にとって必要無いと思っている人がほとんどでは無いでしょうか?実は、とても毒性が高いのに、体にとって必要な“モノ”があります。毒なのに必要なモノの体の中での働きを理解し、病気の治療にどのように用いるか?いっしょに考えてみましょう。
2019年7月12日 第166回サイエンスカフェ
毒なのに体に必要なモノって何?~体のことを知って薬を作る~
講師:斎藤 芳郎 東北大学大学院薬学研究科 教授
プロフィール
宮城県大崎市古川出身。北海道大学薬学部で薬の研究を始め、2001年に博士(薬学)を取得。産業技術総合研究所、同志社大学での研究を経て、2018年9月より現職。
大学時代はアメリカンフットボール部に所属、小中高・社会人で剣道を続け、2016年剣道4段を取得。
専門は生化学、衛生薬学。必須微量元素セレンの生理機能や活性酸素の生体への作用について研究するとともに、糖尿病や神経変性疾患に対する新しい薬や診断薬の開発研究を行っています。
開催情報
開催日:2019年7月12日(金)18:00~19:45
会場 : せんだいメディアテーク
概要
“毒”は体にとって必要無いと思っている人がほとんどでは無いでしょうか?実は、とても毒性が高いのに、体にとって必要な“モノ”があります。毒なのに必要なモノの体の中での働きを理解し、病気の治療にどのように用いるか?いっしょに考えてみましょう。
Q&A
Q. 代謝の「謝」はどういう意味か?
A. 「謝」という漢字の中に、「入れかわる」という意味があり、代謝の表現に使われているようです。
Q. 鉛 Pb は必須元素か?
A. セレンの様に生体内でセレンを含む機能分子が見つかると必須元素として認められますが、中には長年必須かどうかが議論され、未だ不明の元素もいくつか存在しています。鉛についても一時期必須微量元素の可能性が議論されましたが、現在は否定されており、鉛は必須元素ではないというのが正しいと思います。
当日の様子
関連リンク
- 研究室(代謝制御薬学分野)ウェブサイト
-
2019年4月にスタートしたDate fm(エフエム仙台)のラジオ番組です。番組ウェブページにて、「毒なのに体に必要なものって何?」と題して斎藤先生がゲスト出演した放送回の音声を聞くことができます。